不幸を不幸と思わない、不幸に対するリセプターの無いノーテンキな看護師かずみちゃんが集めてくれた、ボランティアの資金集めに協力してくれることになった気持ちの良いメンバー。後に、ボランティアの応援団、「奇兵隊」を立ち上げることになる、その中心メンバーを紹介していきますね。
まず、トップバッターは、奇兵隊の切り込み隊長、最年少のうまちゃん！馬田屋の代表で、明石の地方公設市場に勤める一方、市場前でコロッケ屋をしています。
このうまちゃん、実はかずみちゃんの弟。この個性的な二人が姉弟とは！お母さんが、自由奔放に、天真爛漫に育てたおかげで、こんなすばらしい個性を持った姉弟が出来たのでしょう。馬田家、すばらしいです。（と、まずは持ち上げといて。）
このうまちゃん、とにかく身が軽い。いつも、「だれがやる？」というと、「よっしゃ、よっしゃ」とすぐ手をあげて、さっさと行動に出てくれます。とにかく、頭で考える暇もなく、すぐ行動。
だから、奇兵隊の行動の速さは、うまちゃんの行動に頼るところが大きいです。まさに、奇兵隊の切り込み隊長！
しかし、頭で考える暇も無く、というのがミソで、考えずにとにかく行動するから、時に大失敗も。奇兵隊に大きな笑い（とともにたまに損害も）を提供してくれます。その失敗が、本人は真剣にやっているから余計に面白い。
そのうまちゃんの性格を物語る、ものすごいエピソードがあります。そのエピソードとは・・・・。
なんと、お父さんのお葬式で、お坊さんの頭をはついた（関西弁で、「どついた」と「はたいた」の中間。軽く平手でどつく事）ことがあるんです！ぱしーん！って。
そんな不謹慎な、と思われるでしょうが、本人は到って真剣。真面目ゆえに引き起こったエピソードです。
お父さん、長い患いの後に亡くなられたので、家族はもう前から覚悟は出来ていた末に亡くなったそうです。で、そのお葬式を、近くのお寺ですることになりました。
うまちゃんは、長男なので若いながら喪主。その責任感が、若い彼にのしかかりました。
そして、読経。お坊さん３人が並んでお経をあげてくれたそうです。ところが、うまちゃんはあまり長時間正座したことが無い。だんだん足が痺れてきた。
でも彼は、喪主としてきちんとした態度が大切だ、と思ったようで、足を崩さずにじっと我慢。本人曰く、「気合で立ち上がれる」と思ったようです。
そして、時間が来ました、ご焼香。うまちゃんは喪主なので、トップバッター。座席は一番前。気合だー！と立ち上がった瞬間、足の感覚が無かった！立ったつもりが、足先が下を向いたままだった！
そして３人のお坊さんに向かって、ダイブ！その一人の頭に、手が、ぱしーん！
一瞬読経がやんだらしい。お坊さんの一人は、なにするねんなぁ！という顔で喪主を見つめていたらしい。
その直後に沸いた大爆笑。近親者ほど前に座っているから、日ごろからうまちゃんが引き起こす失敗に大笑いしている面々が前に座っていた！参列者の前の方ほど大爆笑！笑いの渦。
外でご焼香をしていた人々は、前で起こった騒動が見えない。お葬式で近親者が大笑い。なんだ、なんだ、このお葬式は？！
そして、ご焼香をすませて出てくる近親者の顔が、みんな笑ってる。笑いを我慢しようとするから余計ににやけてしまう。参列者は、身内の人ほど笑っているから、お父さんが亡くなったのがよっぽど嬉しかったのだ、と思ったらしい。
そして、火葬場へと向かう車の中。いままで笑いを我慢していたお母さん。こらえきれずに、「くっ、くっ！たかゆきっ！」と口を押さえながら大笑い。
お父さんのお葬式まで笑いに変えてしまう馬田家。おそるべし！この家族に、不幸という文字は無い。不幸に対するリセプターが無いのは、遺伝だった・・・・。
このうまちゃんが引き起こす大騒動、大爆笑に、乞うご期待。
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