AMDA兵庫 の財務を担当して最初に取り組んだ募金箱の設置。後の回収のことを考えずに、考えられるところにどんどんお願いしていった結果、募金の回収のつもりが食べ歩きと化して、つまづきかけた矢先、ふとした縁から事態が好転した。


いつものように、募金箱設置のお願いにまわる週末。


まわった先は、数年前の大学院時代に外来の手伝いに行っていた神戸市中央区のKクリニック。さすがに、病院関係の人脈も尽きかけて、今思えばかなり縁遠いところまでお願いしに行ったものだ。募金箱の設置をお願いしクリニックを出て来た時、その前のN薬局が目に入った。


遠い昔に何度か、僕の名前で処方箋を出したことはあっても、もう僕の事など覚えてないだろう。ましてや、面識など全く無い。そんな遠い縁で、これまた募金箱のお願いなどしても良いものだろうか。


まあ、ダメもとで行ってみよう!募金箱と名刺を持って、N薬局を訪ねてみた。


受付の女性が、オーナーを呼んでくれた。僕の名刺を差し出したところ、オーナーは僕のことを覚えて下さっていた!「以前、Kクリニックの外来されてましたね!存じてますよ。ご無沙汰です!」と。


薬局のオーナーはK氏。本当にきさくないい人だった。AMDAネパールこども病院 の話をすると、ご自分もライオンズクラブでいろいろなボランティアをされているそうで、ボランティア談義に花が咲いた。


それで、募金箱の設置をお願いしたら、即OKのお返事。「よかったぁ!いい人で!」と思ったらその先があった。


「先生も、一つ一つまわっていたら、大変でしょう。私から神戸市薬剤師会 に働きかけしましょうか?」


何とも、僕の悩みをちょっとの時間で感じとって頂いて、さらに解決策まで!目からウロコが、ごそっと落ちた!


そこからの話はトントン拍子。神戸市薬剤師会 の会長のA氏も本当に優しい女性で、「ちょうど、震災後、薬剤師会としても何かボランティアをしないと考えていたところなんです。」とのお返事。会をあげて、神戸市じゅうの薬局に募金箱を置いて下さり、また回収も同時に行って頂けることになった。


いままで、こつこつと自分の足でかせいだ募金箱の設置、数十件。それが、ふとした縁で一気に数百件に!人間の縁とは、本当におもしろいものです。やっぱり、人、人、人ですね。


今日の写真、「ネパールのこどもたちの澄んだ瞳」(僕のお腹が写ってる!)

ネパールのこどもの澄んだ瞳