9.17 今日の後楽園ホール | ボクシング・ジーンのブログ

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DANGAN#139
日本ライト・フライ級王座決定戦
9月17日(木)後楽園ホール 17時50分開始
主催:reason



<メインイベント 日本ライトフライ級王座決定戦10回戦>
●小野 心(ワタナベ)日本1位
[TKO7R1'33'']
○堀川謙一(SFマキ)OPBF3位・日本2位

※堀川が空位のタイトルを獲得

 デビュー15年半、日本とOPBFを合わせれば5度目のタイトル挑戦となる堀川が、ついに悲願のベルトを巻きました。

 これまで何度も際どい判定に泣いた堀川が、スタートから積極的に出ます。フットワークとクリンチで堀川のリズムを崩そうとする小野に対し、堀川はぐいぐい追っては機を見てコンビネーションをまとめてアピール。13カ月ぶりの実戦ということも影響したのか序盤から精彩を欠いていた小野を、ボディ攻撃も多用してどんどん苦境へと追いやってきます。

5回、攻勢を強める堀川。クリンチを繰り返されても集中力を切らさず、ラウンド終盤には右ストレートからのまとめ打ちをみせます。この回終了後に公開されたスコアは、49-47、49-46×2と、3者とも堀川リード。

6回、劣勢の小野がギアを上げてパンチが交錯するようになり、堀川のチャンスが増えました。打ち疲れた小野にラウンド終了間際、コーナーで左ボディブローをめり込ませ、ノックダウン。なんとか立ち上がり、再開の意思を示した小野ですが、力が尽きかけているのは明らかでした。7回、ボディを狙って攻め立てる堀川が右ボディアッパーを効かせ、一瞬棒立ちになった小野に右ストレートをクリーンヒット。ロープへ追ってまとめたところで、レフェリーが小野をさらなるダメージから救い出しました。

 ようやくタイトルマッチでの勝利をつかんだ35歳の新チャンピオンは、その瞬間、意外なほど静かに、口を真一文字に結んで小さくガッツポーズをみせました。

 平日の後楽園ホールに駆け付けたサポーターの他、ボクシング関係者らからも「堀川、おめでとう!」とあちらこちらから祝福の声が上がります。嬉しそうに微笑み、「2000年のデビューで、35歳。のんきにしすぎてしまって、応援してくれている人たちを待たせてしまいました」と苦節を笑いに変えてしまうところに、堀川の人柄が透けてみえたように思いました。堀川の戦績は、44戦30勝7KO13敗1分。

 昨年5月に高山勝成のもつIBF王座に挑戦した経験をもつ元OPBFミニマム級王者の小野は、これで27戦18勝2KO7敗2分。


 控室に戻り、バナナを食べながら、途中、お母さんに電話で結果報告しつつ、話した堀川の言葉は、こんな感じです。

「相手が調子悪いんかな、と思いましたね。高山(勝成)さん相手にフルラウンドまでいった選手ですから。動き、今日は悪かったんかな、とおもいます。でも今日は自分からぐいぐいいこうとは思っていました。もっと相手の左が見えにくいかなと思っていましたけれど、相手の出来の悪さに助けられたかな。(タイトル挑戦は)もう何回目か、わからなくなりましたね。15、16年やってますけど、試合の前から、うわーっていう感じじゃなくて、いつもどおりの感じで臨みました。だから勝っても、あんな感じやったんやと思います。ちょっと、ここまで長すぎたのかもしれません。去年の暮れに、今年で引退しようと決めました。タイトルできてもできなくても、今年一年、と。年内に、防衛戦(指名試合、相手は拳四朗の見込み)ができればと思います。(ベルトへの思いを聞かれて、)ベルトをずっとずっと追いかけてきたので、すごい偉大なものだと思います。とくに“日本のベルト”っていうのがうれしいです。これ、亀田家は持ってないですからね。

(後楽園ホールは苦い思い出ばかりだったのでは?と聞かれ)好きな会場なんで、ここで獲れてよかったです。地元で決定戦だったとして、こんな戦いができたかどうかわからないです。ここでできて、ここで勝てて、うれしいです」



<第6試合 54.5kg8回戦>
●宮坂 航(角海老宝石)
[判定0-3]75ー78 74ー78×2
○益田健太郎(新日本木村)日本バンタム級2位

 今年4月に大森将平に日本バンタム級タイトルを奪われた益田が、再起戦で中堅の宮坂に判定勝ち。無難な勝利はやや物足りなさを感じましたが、力量の差ははっきりとみせました。

 立ち上がり、ジャブでの探り合いからワンツーで先手を取った益田のペースで試合は進みます。打ち合いの中で巧さをみせるタイプの宮坂は、2回、ピッチを上げて前へ。しかし、動きながら、左右ボディフックを起点とする益田の前で、宮坂は攻めあぐねてしまいます。5回、6回と、プレスをかけてくる宮坂に、益田は下がりながらもワンツー、左フックをヒット。試合は一方的になっていきましたが、次戦の予定がある益田はそれ以上深追いせず、フルラウンドを消化しました。益田はこれで29戦22勝11KO7敗。宮坂は14戦9勝2KO4敗1分。



<第5試合 スーパーフェザー級8回戦>
●高畑里望(ドリーム)日本9位
[判定0-2]77ー77 76ー77×2
○三瓶数馬(協栄)

人生初黒星から連敗を喫した元全日本新人王・三瓶が、僅差の判定で15ヵ月ぶりの勝利に涙をながしました。

 さくら淳に敗れてスランプに陥った三瓶と、さくら淳に勝って日本ランク返り咲きを果たした高畑、という顔合わせ。開始から中間距離のやりとりで、先にペースをとったのは長身の高畑でした。サウスポー相手に左ジャブを多用し、ボディブロー、アッパーと細かく手を出していきます。2回も左を強振する三瓶に高畑の右がよく当たりました。しかし3回、三瓶がボディ攻撃で盛り返します。バッティングで高畑は右目ぶたをカット。そんな高畑に対し、4回には三瓶の右フックから左ストレートのコンビネーションが印象的に決まりました。5回、左のストレートを上下に打ち分ける三瓶。終盤戦は疲れが見え、高畑がボディブローをいくつも打って挽回を図ります。最後は高畑の左フックを浴びて一瞬棒立ちになる場面もあった三瓶ですが、なんとか手を出し続けてフルラウンドを戦い切り、際どい判定を手に入れました。

 三瓶は14戦12勝4KO2敗。高畑は18戦11勝3KO6敗1分。



<第4試合 バンタム級8回戦>
●松山真虎(ワタナベ)
[判定0-3]74-78 74-79×2
○田之岡 条(小熊)日本フライ級11位

長身サウスポーの田之岡。懐の深さを生かしてペースをとり、左クリーンヒットにつなげます。銀髪で臨む松山の方はプレスを強め、右アッパーから中に入ろうと努めますが、田之岡のクリンチに阻まれ、なかなかパンチをつなげません。バッティングも頻発して流れが止まることも多く、そんんな中で田之岡が時折左から2発3発まとめてポイントを着々と拾い続け、大差判定勝ちを収めました。




<第3試合 ライトフライ8回戦>
成塚 亮(ワタナベ)●[TKO6R終了 ]木村 翔(青木)

両者慎重な立ち上がりから、木村が伸びるジャブ、から右アッパー、左フックで圧力をかけていきます。2回、アップライトに構えて細かく手を出し始めた成塚に対し、木村はビッグパンチ狙い。ラウンド中盤には左ボディブローから数発まとめ、3回には右クリーンヒットで成塚を腰砕けに。しかしここで詰めを欠くと、その後も有効打の数で明らかに上回りながら、動きながら細かく打つ成塚を詰め切れず、ラウンドを過ごします。6回中盤、木村は右アッパーをクリーンヒット。このラウンドのあと、成塚サイドが棄権を申し出ました。



<第2試合 バンタム級6回戦>
米永章吾(宮田)●[判定0-3]〇小浜雅哉(UNITED)

58-57×3

昨年の東日本新人王・米永がジャブで組み立てるのに対して、小浜はかまわずフンッフンッフンッと自分のリズムでコンスタントに手を出していきます。2回になると米永がタイムリーな右をかぶせ出し、ボディ攻撃も交えてペースを引き寄せます。4回、米永は疲れからか手数が落ち、小浜が強い左を当てて優勢。しかし、続く5回は米永が右の好打で、取り返し、一進一退。僅差の判定は、小浜を支持しました。



<第1試合 ライトフライ級4回戦>
長谷川晃亮(熊谷コサカ)●[TKO2R1'03'']○頼政和法(レパード玉熊)

19歳長谷川はこれがデビュー戦ですが、落ち着いてジャブで探りながらタイムリーな右を打ちこんでいます。初回終盤になると頼政が打ち終わりを叩くタイミングをつかみ、右相打ちで長谷川の膝を揺らせました。そして2回中盤、サイドから頼政が放った右ショートで長谷川ダウン。キャンバスへ崩れ落ちた長谷川を見て、レフェリーが試合を止めました。頼政は3戦2勝2KO1敗。