ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太のプロ転向記者会見が4月12日、東京・九段のホテルグランドパレスで行われました。
所属は三迫ジム、練習環境の整備やマッチメイクは絶大な海外ネットワークをもつ帝拳プロモーションという、万全のサポート体制の下での船出です。
「三迫ジムに所属して、世界チャンピオンを目指します。ロサンゼルス五輪ではアマチュアの山根会長、東洋大学のサポ―トのおかげで金メダルを獲得することができました。この金メダルという一つの目標を達成して、ボクシングはもういいかと思うこともありましたが、テレビ番組などでさまざまな仕事をさせていただく中で、小学生と対応することなどがあった時に、自分の子供のころの夢、ボクシングを始めたころの夢をあきらめていいものか、という気持ちが出てきました。
サッカーや野球など、子供が憧れるスポーツというのはありますが、僕にとってはボクシングもとってもすばらしいスポーツで、子供たちにとってこれが憧れのスポーツになればいいな、と思っています。
家族は不安だろうし、心配をかけて申し訳ないんですが、応援してくれるし、サポートしてくれます。プロボクサーになって、父親としての役割ももっとしっかり果たしていきたいと思っています。
金メダリストで、プロでも世界チャンピオンという、(日本で)初めてのものにチャレンジしたいと思います。
無謀だとか、このままやめればいいのに、っていう声もありましたけれど、僕が夢に向かって挑戦することが、今の日本の力になればいいな、そう思っています」
102名(主催側発表)の取材・報道陣の前で、村田はそう話しました。
4月16日、東京・後楽園ホールで行われる井上尚弥(大橋)をメインとする興行『フェニックスバトル』で、公開プロテストが行われ、それが本当のプロボクサー村田諒太の出発となります。
階級はミドル級を中心に上下の階級も含めて視野に。
「プロで通用するかどうか、プロに向いているか向いてないかは2年もすれば判断できると思う」と村田。
社会人経験も豊富な27歳の金メダリストは、冷静で、明快です。
接近戦に活路を見出し、金メダルまで到達した村田諒太。
プロでのスタイルを今模索中だとのことですが、
「判定を狙うようなボクシングをするつもりはありません」
そう言い切りました。楽しみです。 (宮田)
村田諒太
1986年1月12日生まれ、27歳 奈良県奈良市出身
アマチュア戦績 138戦119勝(89KO・RSC)19敗
2011年 インドネシアプレジデントカップ ミドル級 金メダル
2011年 世界選手権 ミドル級 銀メダル
<Photo by Hiroaki Yamaguchi 山口裕朗 >