8.10 今日の後楽園ホール | ボクシング・ジーンのブログ

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THE GREATEST BOXING VOL.13

8月10日(金)後楽園ホール 17時50分開始
主催:戸髙秀樹


<メインイベント バンタム級8回戦>
○冨山浩之介(ワタナベ)
[TKO4R2'32'' ]
●野崎雅光(八王子中屋)日本スーパーフライ級5位


「少しは大人のボクシングができたかなって思いますね」
自ら振り返ったとおり、この日の冨山は実に落ち着いて試合を進めました。以前の冨山らしい“元気の良さ”が感じられなかったのは、ひとつにはこうした自制が働いていたからなのでしょう。小刻みに力の抜けた左を突き、左フックで変化をつけ、左に回る、冨山のボクシングは必ずそこに立ち返りました。最初に冨山が角度のある右ストレートを伸ばしたのは初回半ばでした。直後、この鋭い右で野崎の左まぶたを切り裂きました。少なくない血が傷口から滴り落ちます。以前の冨山なら、この機に乗じてかさにかかって攻め込み、ときには自らペースを乱してしまうような奔放さがありましたが、この日は違いました。
「このままいけば、(レフェリーが)止める可能性があるし、右が当たって、何度か(野崎の)目が飛んでいたので、焦らずに攻めればいけると思いました」


そして、冨山のボクシングが“おとなしい”と映ったもうひとつの理由。それは、自らの背水の状況でしょう。花道を入場し、リングに上がった冨山の表情は、いつになく険しいものでした。「緊張していたのではないか」と試合後、話を向けると素直に認めました。無理もありません。引退し、競艇選手への転向を目指して、選手養成学校の試験を特別枠で受験しましたが挫折。今年4月、1年4か月ぶりにリングに舞い戻ってきたものの、カムバック戦では江藤大喜(白井・具志堅スポーツ)の左フック一発に沈みました。「(2010年12月の椎野大輝(三迫)戦と併せて)3連敗はできない」という意識が、いくらか動きを硬くさせていたのかもしれません。ですが、それも冨山自らが自身をそういう状態に置いたからでした。
「昔の自分はヤンチャなところが売りみたいな感じで・・・入場するときからアホみたいにヘラヘラしていて、なんて言うか・・・自分が勝つのは当たり前みたいに思っていて。でも今日の相手(野崎)は強いし、勝たないといけない、負けられない、そんなふうに(緊張して)入場しようとしたんです」


2回に入ると、スロースターターの傾向がある野崎が前に出て右で冨山を脅かします。が、この回終盤には野崎が入ってくるところに何度も右を合わせ、すぐに対応しました。この右を最後まで野崎はもらい続けました。迎えた4回、前に出ながらもなかなかパンチを当てきれない野崎に対し、冨山が右をきっかけに左右の連打をまとめます。そして、野崎に3度目のドクターチェック。ここで、試合はストップされました。およそ2年ぶりの勝利に、冨山は素直に喜びを爆発させました。その姿は以前の冨山そのままでしたが、内面は大きく変わったのかもしれません。
「今回は本当にいちばん練習しました。初めて練習で泣きましたもん(笑)。でも、(厳しく追い込んでくれた)小口トレーナーには感謝しています。ジムのみんなにも。あ、(渡辺)会長にも。会長は自分がミット打ちしているときに『頑張れよ』って肩を叩いてくれて、嬉しかったんです。本当にみんなに感謝です」
口下手ですが、こうした言葉が素直に出てくるところにいちばんの成長が感じられました。まだ、29歳。これでランク復帰を確実にした元東洋太平洋王者にして世界挑戦経験者は、まだ一度も巻いたことのない日本のベルトを目指したいと話しました。ターゲットはスーパーフライ級かバンタム級になりますが、「チャンスがあればやりますよ!フライ級でもフェザー級でも!」なんて軽口を加えるところがまた、冨山らしいのでした。(船橋)


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<第8試合S.フェザー級8回戦>
△阿部隆臣(新日本大宮)日本スーパーフェザー級11位
[負傷引き分け1R2'36'' ]
△岩井大(三迫)OPBFスーパーフェザー級15位


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<第7試合S.フェザー級8回戦>
○荒井翔(ワタナベ)日本スーパーフェザー級10位
[判定3-0 ]80-74 79-74 78-74
●深谷知之(三迫)


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<第6試合51.5kg8回戦>
平龍太郎(石神井スポーツ)[  中止  ]ガンバレ将太(戸髙秀樹)


<第5試合S.フェザー級4回戦>
宮野智宏(ネクサス)●[判定0-3]○日下正義(セレス)

36-40 37-40×2


<第4試合54.5kg4回戦>
辻貴哉(TEAM10COUNT)●[KO3R1'08'' ]○早矢仕順紀(戸髙秀樹)


<第3試合S.フェザー級4回戦>
竹内省悟(M.T)○[判定3-0]●栗田航平(山龍)

39-37×2 39-38

34歳・竹内と19歳・栗田、ともにデビュー戦。動きは竹内がややぎくしゃく硬めで、栗田はなかなか柔軟。と、ひじょうに対照的な組み合わせ。試合を主導したのは、10年間の準備期間を経てリングに立ったという竹内でした。スタートから左ジャブでプレッシャーをかけ、思い切りよく顔面へ右ストレート、ボディへ左フックをヒットしてペースに乗ります。上体の振りが少なく、被弾もします。3回序盤には栗田の反撃も受けました。が、竹内は踏み込んでの右カウンターでペースを引き戻し、手数も落ちませんでした。「10年間ジムに通って学んだことが、全部役に立ちました。初めてのプロのリングは、想像以上に冷静に闘えて、想像以上にキツかったですね」と語る竹内。准看護師として内科病棟に勤務し、正看護師を目指して学校に通い、そしてプロボクサーとしてリングに上がりました。「毎日ほんとにキツかったけれど、ものすごい充実感です」。そんな34歳のルーキーボクサーはリング上で、最初で最後の試合にするつもりだった、というようなコメントをしましたが、実は次の試合が待ち遠しいようです。(みやた)



<第2試合フェザー級4回戦>
嶋田一穂(福田)●[判定1-2]○村田宗一郎(セレス)

38-39×2 39-38


<第1試合フライ級4回戦>
岡田拓真(古口)○[判定3-0]●大和菊地(戸髙秀樹)

39-36×2 38-36




<Photo by  Hiroaki Yamaguchi 山口裕朗


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