2018/03/23
朝起きたらこのブログが目に入ってきて。
感動して手が震えて。
主人と共に涙が。
明日
第7回全国いのちの食育書道展表彰式が行われる今、このタイミングでのプレゼント。
お知らせさせてください。最後まで読んでください。
【唯一無二のボランティア集団 ~奇跡が軌跡に~】
8歳の少女の「いのちの奇跡」が、
書家 福田房仙の「房仙会の奇跡」となり、
「房仙会の軌跡」として続いていく。
尽くす人が尽くされる人になるという連鎖。
◆全国いのちの食育書道展の沿革
◆味噌作り
***
◆全国いのちの食育書道展の沿革
平成30年3月24日 いよいよ、第7回全国いのちの食育書道展が開催される。
書家である福田房仙先生が、どのようにして「食育」に関わることになったのか?
なぜ、「三島市食育推進会議委員」をされているのか?
ずっと不思議だった。
房仙先生が、ご自身のブログやフェイスブックに書いていらしたことをまとめると、今から11年前の2007年、当時の三島市長が「食育推進都市宣言」を掲げ、「食育推進会議」を立ち上げたとき、委員に選ばれた。市長直々に依頼の電話があり、
「三島市民を健康にしたい! 健康を失ったら全てを失う!」
という言葉に感銘を受け、委員の職を受けたそうだ。
書道を通じて築かれた房仙先生の軸は、ゆるぐことがなく、まなざしも言葉にも強い力があり、小さく華奢な身体は想像もつかないほどパワフルで、休むことを知らず、初めてのことにも好奇心に目を輝かせて果敢に取り組み、常に目標に向かってフル回転している。
きっと、幼いころから健康優良児で、クラスの中心的存在。いつもリーダーシップを取って、人望を集めていたに違いない。そんなふうに思っていた。
実際は全く違っていた。
房仙先生は、8歳の時に罹ったリウマチ熱の副作用によって心臓弁膜症を発症し、20歳までしか生きられないと、ご両親は医師から伝えられていたそうだ。
20歳以上の将来を描いても、叶うことがないことを受け止め、娘の成長を見守らなければならないご両親の思い。
「繰り返される入院生活と自宅療養で、ほとんど学校には行けず、友だちもいなかった」
「書道課のある大学に進学したかったけれど、文房具屋の子どもに学はいらないと、父親に猛反対された」と、房仙先生は話していらっしゃった。
房仙先生のブログには、こんな言葉が記されている。
リウマチ熱に罹った当時のことは覚えています。 痛い・高熱にうなされる・苦しい。トイレも這いずっていかないと行けない!歩けないのです。 悲しい。 苦しさを訴えると 気のせい!と言われ苦しんだ記憶は忘れません。
8歳の子どもが、十万人に一人という病にかかり、誰にもわかってもらえない苦しさと悲しみを体験したこと。
リウマチ熱による熱が下がっても、心臓弁膜症を発症したことで、その後も、大勢の子供たちがあたりまえのように送る学校生活は望めなかったこと。
書道だけが続けられる全てだったこと。
その後、書道による呼吸法と、食養生により、病を克服したこと。
「生かされていること」と感じ、「使命に生きる」ことを決意されたこと。
その経緯は、同じ苦しみを体験していない私が、短い言葉で書けるものではないが、房仙先生が決意された「使命を生きる」という一つの形が、「全国いのちの食育書道展の主催」だとわかった。
「いのち」の文字が、以前にもまして、深く胸にしみいる。
8歳の房仙先生が生死をさまよい、あまりにも過酷で、理不尽な思いを重ねる辛い日々の中で、大好きな「書道」と「食」によってつないだ「いのち」。
だから、房仙先生は、誰でも(子どもでも、大人でも、個人でも、団体でも、学校でも、書塾でも)応募できるように、出品料を無料にすることを決断された。
書だけを評価するのではなく、食について考えた言葉の内容や、色、構成、表現の工夫も審査する形式にされた。
食について、会話が弾み、食べることについて楽しく考える機会を図ることを目的とされた。
こうして、始まった「いのちの食育書道展」は、ほどなく「全国いのちの食育書道展」と名称を改め、回を重ねるごとに賛同してくださる人・協賛してくださる人、出品してくださる人が増えてゆき、第6回目を迎えた昨年、ついに全国47都道府県全てから作品が集まって、文字通り「全国いのちの食育書道展」となった。
第7回全国いのちの食育書道展のチラシの「後援」の欄には、内閣府、文部科学省、厚生労働省、農林水産省の文字がある。続いて、静岡県、鳥取県、静岡市、浜松市、沼津市、御殿場市……などの自治体、教育委員会、新聞社、テレビ局が並んでいる。
文部科学大臣賞、静岡県知事賞、静岡県議会議長賞、静岡県教育委員会教育長賞……
三島市で一番大きな会館を借り、壇上にはスクリーンが設置され、受賞者は、舞台上のレッドカーペットの上で賞状を授与される。
無料で出典できる書道展とは思えないほどの立派な表彰式。
受賞者及び関係者に、心のこもった通知を出すことも、表彰式にふさわしい会場を準備することも、進行について打ち合わせをすることも、授与する表彰状を準備することも、記念品を用意し、ひとつひとつ丁寧に包装することも、音響や照明をチェックすることも、会場を設営し、要所に掲示をすることも、来場者の安全を守ることも、すべてに人の心と手がかかっている。
経費もだ。
協賛金だけではとうてい足りず、補えない分は主催者の持ち出しで、人的経費はボランティアで支えていると聞いた。
房仙先生は、ご自身のブログで、
「房仙会は全ての人が運営委員」「唯一無二のボランティア集団」「活動を通じて、仲間たちの人柄の良さや、書道のお稽古だけではわからない新たな魅力に気づける深いコミュニティが形成されている」と綴り、「全国にこの活動を広めるために、三島市を拠点として各地を飛び回り、そこに集まる人たちに書道の指導を続けている」と記されていた。
〈米子・大阪・東京で書道を学べるのは、「全国いのちの食育書道展」推進の一環だった!〉
この経緯を知れば、「遠いから行けません」「書道と関係がないことはできません」などと、出張教室の生徒は言えるはずがないのだった。
でも、そのことを房仙先生は生徒に強いない。
そればかりか、「書道を習うことは別」と、言ってくださっている。
房仙書道は「書動!」
初めてのお稽古の時に、教室中を移動することに驚いて、そう感じたのだが、教室の中だけでなく、全国各地が先生のフィールドだった。
やがて、日本だけでなく世界がフィールドになるだろう。
動くのは、房仙先生だけではない。
第7回全国いのちの食育書道展のボランティア隊長に任命されたI氏も動く動く!
◆味噌づくり
房仙会が主催する「味噌づくり」が、三島、米子、大阪で開催された。
山形で自然農法を営む中川吉右衛門氏を招き、同氏の秘伝大豆を始めとする選りすぐりの材料で、最高の味噌を作る。たっぷりの水で、18時間かけてゆっくりもどした大豆を、やわらかくなるまで3~4時間煮るところから始まる、吉右衛門直伝の味噌作りだ。
各教室で、リーダーを任された生徒が、場所を探し、フェイスブックのイベントページを立ち上げ、告知し、参加者を取りまとめ、資料を用意し、取り寄せた材料の下準備など、多くのことをしてくださった。
そのすべての会場の味噌作りに参加してくれた人がいる。ボランティア隊長のI氏だ。
I氏は、房仙会展、先生の個展や、さまざまなイベントで、たくさんの写真を撮りつづけてくださっている。一瞬の表情や空気感をとらえた素晴らしい写真の数々。もともと、カメラがお好きな人なのだろうと思っていた。
社中展のときに遠くから見かけたことがあるだけで、話をしたことはなかった。多くの人がフェイスブックに書き込んでいるる内容から、温和で人柄のよい人だということが伺えた。ボランティア隊長を任命されたことからも、そのことがわかるだろう。
米子でのイベントページの「参加」の欄に、I氏のアイコンを見つけたときは、(房仙先生の活動の記録写真を撮影されるのだろう)と思っていた。
ところが、大阪のイベントページの「参加」の欄にも、I氏のアイコンがある。
(え)
(まさか)
(平日なのに?)
(二日続けて?)
(仕事は?)
大阪の参加は間違いだと思った。
うっかりクリックしてしまったとか、気持ちだけ参加!というエールの意味とか。
ところが、本当に、大阪の味噌作りに参加してくださるという。
味噌作り経験者がいないからという理由で、サポートしてくださるというのだ。
もちろん、交通費も出ない。報酬も出ない。
このことについての、反応はさまざまだと思う。
職場での立場が悪くならなければいいが……という心配、休暇を取れるI氏へのうらやましさ、中には、ねたましさを感じる人もいるかもしれない。
でも、会えば、どんな気持ちも消えてしまう。
I氏は、本当に、素敵な人だった。
記録写真を撮るために参加されるのだと思っていたので、米子の味噌作りに房仙先生はいらっしゃらないと知って、驚いた。大阪の味噌作りにも、房仙先生はいらっしゃらないのだ。
房仙先生の写真を撮るというわけではなかった。
では、I氏は、なぜ、各地の味噌作りに参加してくださったのだろう?
純粋に味噌が好きなのか?
発酵食品である味噌は、作る人の手によって、味が変わる。
三島の味噌、米子の味噌、大阪の味噌を食べくらべるために参加しているのか?
違う。
I氏は、米子でも大阪でも、味噌を持ち帰らなかった。
(えーーーーっ なんのために?)
なんのため? などという言葉が、どうでもいいことに感じられるくらい、I氏は素敵な人だった。いい人―――!と連発したい人に、久しぶりに出逢ったと感じた。
味噌作りをしたからわかった。
味噌作りってすごい。
味噌作りの作業工程で、人格が見えてくる。
大豆は、人かもしれなかった。
最初からそう思って参加したわけではない。
でも、大豆の扱いを見ていると、その人が、人の心をどんなふうに扱うのかがわかるようだと思った。
柔らかくした大豆のつぶしかたは、人によってさまざま。
つぶした大豆の味もさまざま。
「氣」が違うのだと、吉右衛門氏が説明してくれた。
吉右衛門流がすごいのは、そのさまざまなものを、ぜんぶ合わせて一つにしたことだ。
自分でゆでた大豆を、自分でつぶして、自分で塩と麹をまぜあわせて、自分だけの味噌を仕込むのではない。
ていねいにつぶされたなめらかな大豆も、あまりていねいでないブツブツだらけの大豆も、参加した人たち全ての大豆が、一つになったことだ。
塩と麹を加え、全員の手で混ぜ合わされる。
我が消える。
性格がわかるのは、大豆のつぶしかただけではなかった。
分けやすいよう、味噌玉を作る工程でも性格が出た。
「だいたいこのぐらいの大きさで」と、見本を提示されたにもかかわらず、それよりも大きく作る人、小さく作る人、作るたびに違う大きさになる人。
味噌玉を容器に敷き詰めていく作業で、さらに性格が出た。
かたまりのまま、容器におしつぶすだけの人。少しずつ丁寧に、敷き詰めていく人。
それは、書道のお稽古で知っている性格とは違うものだった。
思いがけない発見ほど尊敬できるし、ギャップがあるほどかわいらしい。
Iさんは、ものすごく仕事が丁寧だった。
Iさんのてのひらでならされる大豆は、とても癒されているように見えた。
(やってもらいたい!)
私の手でならした大豆は、どうも落ち着きがなく、味にまろみも深みもが出ないと思ったので、頼み込んで、Iさんに仕上げをしていただいた。本当に丁寧な仕事をされるので、大豆がよろこんでいる声が聴こえるようだった。
大豆をならしていただきながら、前から気になっていたことを伺ってみた。
「Iさんの撮影される写真、すごく素敵です。カメラは、以前からされていたんですか?」
「いや、苦手で、撮ったことなかったです。旅先などで、写真撮って人に頼まれたら、嫁に渡してました」
「えーーーーーっ だって、いつも記録のお写真、撮ってくださっているでしょう?」
「いつだったか、房仙先生に、とつぜんカメラを渡されて、写真撮ってって頼まれたんです」
「えーーーーーっ 写真苦手なのに?」
「はい」
房仙先生のひとことで、Iさんはカメラマンになった。
Iさんが写した房仙会の記録写真は、何百枚もあると思う。
自分の輝きは、自分では引き出せないのだ。
誰の投稿でも、Iさんは大絶賛されていた。
でも、言葉を理解することと、体験することはちがう。お会いしたから体験できた。
Iさんは、つないでくださった。
「全国いのちの食育書道展」に向け、味噌作りを通じて、出張教室と三島を結ぶために来てくださったのだと思う。
房仙先生が誇る、唯一無二のボランティア隊長として。
こうしているあいだにも、明後日に開催を控えた「全国いのちの食育書道展」「表彰式」に際して、運営委員のミーティングは続いている。
「どうすれば嬉しいか。どうすれば笑顔が生まれるか。そのためのひと手間、ふた手間が、格段に飛躍した昨年度の書道展」と、房仙先生はブログで書いていらした。
8歳の少女の「いのちの奇跡」が、書家 福田房仙の「房仙会の奇跡」となり、「房仙会の軌跡」として続いていく。
尽くす人が尽くされる人になるという連鎖。
浜田えみな
第7回 全国いのちの食育書道展
● 日 時 ●
【展覧会】平成30年3月24日(土) 10:00-16:00
【表彰式】平成30年3月24日(土) 13:00-15:00
● 会場及び所在地 ●
【展覧会】
三島市生涯学習センター3階 三島市民ギャラリー
〒411-0035 静岡県三島市大宮町1-8-38
【表彰式】
三島市民文化会館 大ホール
〒411-0036 静岡県三島市一番町20-5
●入場料 無料
● 主催及び共催 ●
主催 一般社団法人 全国いのちの食育書道展協会
共催 三島市
● 後 援 ●
文部科学省、厚生労働省、農林水産省、静岡県、鳥取県、静岡市、浜松市、沼津市、島田市、藤枝市、御殿場市、裾野市、伊豆市、伊豆の国市、牧之原市、米子市、静岡県教育委員会、静岡県文化協会、静岡県教育会館、静岡市教育委員会、浜松市教育委員会、三島商工会議所、三島市観光協会、JA静岡中央会、NHK静岡放送局、静岡新聞社・静岡放送、静岡第一テレビ、静岡朝日テレビ、FMボイス・キュー、三島テレビ放送、他● 日 時 ●
【展覧会】平成30年3月24日(土) 10:00-16:00
【表彰式】平成30年3月24日(土) 13:00-15:00
● 会場及び所在地 ●
【展覧会】
三島市生涯学習センター3階 三島市民ギャラリー
〒411-0035 静岡県三島市大宮町1-8-38
【表彰式】
三島市民文化会館 大ホール
〒411-0036 静岡県三島市一番町20-5
●入場料 無料
● 主催及び共催 ●
主催 一般社団法人 全国いのちの食育書道展協会
共催 三島市
● 後 援 ●
文部科学省、厚生労働省、農林水産省、静岡県、鳥取県、静岡市、浜松市、沼津市、島田市、藤枝市、御殿場市、裾野市、伊豆市、伊豆の国市、牧之原市、米子市、静岡県教育委員会、静岡県文化協会、静岡県教育会館、静岡市教育委員会、浜松市教育委員会、三島商工会議所、三島市観光協会、JA静岡中央会、NHK静岡放送局、静岡新聞社・静岡放送、静岡第一テレビ、静岡朝日テレビ、FMボイス・キュー、三島テレビ放送、他
一般社団法人全国いのちの食育書道展協会 理事長
webページ http://www.kokone.jp
書道教室「房仙会」 主宰
webページ http://www.bousen.com
◆ 全国いのちの食育書道展