残念だが、同志社が筑波に完敗した。


ゲームを象徴するシーンは前半25分から32分の攻防で、筑波ゴール前のラインアウトから同志社が攻めるが、連続攻撃を仕掛ける度に筑波のディフェンス網に押し返されて行った。又、この間にラックやモールから同志社に出たボールは明らかに筑波のプレッシャーを受けており、生きたボールとは言えないものだった。同志社フィフティーンからすれば、厚くて重い壁に押し戻されていくような圧迫感を感じていたのではないか。しかし、これこそが対抗戦グループ上位校にとっては当たり前のディフェンス網なのだと思う。


数は少ないが、同志社らしい攻撃の場面もあった。前半35分、スローフォワードの反則を取られはしたが、CTB林が作ったポイントから出たボールを、SO長井が後ろから走り込み真横に並んだNo.8にパスをして突破を図っている。決まっていれば大きくゲインできたプレーだった。


又、38分には筑波ゴール前左のスクラムから同志社は右ラインにパスを回し、逆サイドWTBの宮島がライン参加して均衡を崩し、最後は右WTB松井がトライを決めている。これはセットプレーからのトライであり、前に空間さえあれば同志社の切れ味が増すことを証明したように思う。


一方の筑波だが、攻撃は理詰めでオーソドックだったように思うが、ボールをもらう選手にスピードがあり、フォローも厚いことから実に重そうに見えた。同志社も真面目にタックルには行くが、筑波の勢いを殺すほどのシャープさはなく、受け止めながら後退するという感じだったように思う。


対抗戦グループで、帝京はその筑波をノートライに抑えているし、早稲田、慶應義塾とも筑波からは2トライしか取られていない。やはりディフェンスの前に出るスピードと厚みを同志社を始めとする関西勢は研究すべきなのかなと思う。特に、セットプレーではなくラックやモールからのディフェンスのスピードと厚みに大きな差があったように思う。


京産大を除いて関西勢は全敗となったが、関西1位、2位である同志社と立命館が敗れたのは実に悔しい。立命館は関西では最も多くの得点を上げたチームだが、慶応義塾から22点しか奪えなかった。その慶応義塾は早稲田からは69点、帝京からは75点を対抗戦グループで奪われている。その後、慶應義塾の奮起があったことは間違いないだろうが、この得点差も気になるところだ。


同志社は来週、流通経済と対戦する。

さて、どのように戦うのだろう。