ボルネオ7番のブログ

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五木寛之さんと佐藤優さんの対談集。テーマは「味方ではないが敵でもない不思議な隣国・・ロシア」だ。

異端の人間学

何故このお二人が・・と新鮮に感じて手に取った本だが、佐藤優さんは中学2年生(1973年)のときに五木寛之さんの「蒼ざめた馬を見よ」を読まれ、東西冷戦の時代のソ連に五木寛之さんを通して接しておられる。その後、佐藤優さんはソ連・ロシアを担当する外交官になられるが、「蒼ざめた馬を見よ」に描かれた世界は現実とそれほど掛け離れていなかったことを実感したとおっしゃっている。そういうご経験から、佐藤優さんは五木寛之さんの洞察力に信頼を寄せておられたのだろう。

その五木寛之さんは中学1年の夏に現在の平壌(ピョンヤン)で敗戦を迎え、ソ連兵が自動小銃を手に「マダム・ダヴォイ(女を出せ)」と乗り込んできた日のことを覚えておられる。そして、人身御供のように押し出された女性が翌朝ボロボロになって帰ってきたり、こなかったりしたことにソ連兵に対する憎しみを抱かれるのだが、その後、敗残兵のような格好をしたソ連兵が四列縦隊になって歩きながら合唱する美しい歌声に驚き、聞き惚れ、非常に複雑な思いを抱かれる。

その話を聞いた佐藤優さんは、彼らは囚人部隊や懲罰部隊と呼ばれた「危険な最前線で一歩も退くなと命じられ、もし後退した場合は後ろに控えている正規部隊から撃ち殺された」兵士たちだったのではと推測される。この部隊の半分はドイツ軍の捕虜になって逃げ帰ってきた人たち、残り半分は政治犯や刑事犯罪人だったらしい。彼らは彼らで追い詰められた日々を送っていたのかも知れない。

お二人の対談はそういう掛け合い漫才のような快いテンポと緊張感でどんどん進む。あいにく、私の不勉強から初めて聞く人名や組織、地域、宗教がたくさん出て来たので、完全に理解することは難しかったが、途中休むことなく一気に読んだ。そして、お二人の話が面白いのは「現実を見、人と交わり、体感されたきたから」だと思った。頭の中だけの知識や理論だけではなく、お二人の話には現実の重みと人々の体温を感じる。正にノンフィクションの世界だ。
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著者の今泉 清さんは大分舞鶴高校から早稲田大学に進学されたラガーマンで、高校日本代表、日本代表、7人制日本代表としても活躍された名選手だ。その今泉さんが「勝ちグセ」という本を出されたと、出版元の日本実業出版社に勤務する大学の後輩から連絡があった。後輩が本も送ってきてくれたので、早速、読ませて頂いた。

勝ちグセ

今泉さんがラグビーから学んだという「最強のチームを作るための50の法則」が書かれているが、各々の法則がきっちり4ページにまとめられており非常に読みやすかった。いずれの法則も、真面目な努力家である今泉さんのお人柄をうかがわせるものだが、特に、次の3点は興味深く読ませて頂いた。

法則2「相手の弱みに自分の強みを当てる」

早稲田より身体の大きな選手が揃っていた明治に勝つため、早稲田は徹底してボールを動かし、明治のスタミナを消耗させ、一気にゲインできるチャンスを待つ。いわゆる早稲田の「ゆさぶり」だが、今泉さんはこれを「勝つための手段であり、それで勝てないなら別の手段を考えるべき」と言い切る。私が知る早稲田はそういう勝つことに貪欲で、勝つためには相手の弱点を突くのは当たり前というしたたかさと、その精度を上げるための反復練習ならいくらでも耐えるという志の高さを兼ね備えたチームだ。さて、最近の早稲田はどうなんだろう。

法則12「チャレンジするなら、できるまでやり続けろ」

今泉さんはゴールキックやペナルティキックを蹴るキッカーの役割を担うが、全体練習が終わった後、毎日2時間以上、黙々とゴールポストに向かってキックの練習をされたそうだ。それも立派だが、その今泉さんのキック練習に付き合い、ボールを拾ってくれる4年生の数がどんどん増えていったそうだ。何と素敵なチームなんだろうと思うが、そういう先輩の思いを受けた今泉さんの言葉が素晴らしい。「チャレンジがどういう意味かと訊ねられたら大半の人は挑戦することだと答えるだろう。でも私は違う。私にとってのチャレンジとは、できるまでやり続けることだ」。

法則47「備えを怠らなかった者にチャンスは味方する」

今泉さんがコーチとして関わったチームに、レギュラーになれずに悩んでいるAという選手がいたとか。相談を受けた今泉さんはA選手に先ず得意とするプレーを聞く。それがタックルだと知った今泉さんは A選手がレギュラーになるために必要な27項目の課題をリストアップし、それを4項目まで絞り込む。それに真剣に取り組み始めたA選手はリザーブとして参加していたゲームで途中出場の機会を得、チーム劣勢の中、目が覚めるようなタックルを見せる。A選手の準備が報われた訳だが、ラグビーには15のポジションがあって各々異なる能力が求められる。だから、A選手のように得意なプレーに磨きをかけていればゲームに出られる可能性がある・・・これは社会に通じる真理のように思うがどうだろう。

いつか会って話す機会があったら、これらにつき更に聞いてみたいように思う。
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お誕生日プレゼントに又吉直樹さんの「火花」を頂いた。芥川賞を受賞した話題作で、高い評価がある反面、和田アキ子さんなどからは辛口の批評もあったようだ。さて、どんな本なんだろう。

火花

帯に「天才肌の先輩芸人と出会ったとき、すべては始まった」とある通り、お笑い芸人の徳永が天才肌の先輩芸人、神谷と出会い、その交流の中から「お笑いとは何か」を考え、悩み、時には衝突しながらもお互いの存在を頼りにして生きて行く二人が描かれている。その二人の生き様を見れば、たまたまお笑い芸人の物語ではあるが、どのように生きるのかという誰もが一度は悩んだことのある問い掛けを再びされたような気もする。

神谷は天才肌の芸人だけに鋭い感受性があり、妥協を許さない頑固さも持ち合わせている。そういう神谷は時に世の中の仕組みからはみ出すし、理解者や支援者に恵まれないことも多い。反面、徳永はいつも客観的でいられる冷静さを持ち、一言で言えばお笑いに賭ける情熱と同じ量の常識を持ち合わせているがために、なかなか殻を破れないもどかしさと戦っているように見える。

そういう二人だけに互いに惹かれ合うことになるが、そんな二人とは無関係に、世の中の流れにサラリと巧みに乗って世に出て成功する若手芸人たちが登場する。これは決してお笑いの世界だけのことではなく、私たちが生きている世界でも見かける光景のように思う。それだけに、私は「どう生きるんですか?」という問い掛けをされたように感じたのだろうと思う。

好き嫌いで言えば決して好きな範疇の小説ではないが、二人の人柄や性格、話すときの仕草や表情など生き生きと頭の中に浮かんできたから、又吉さんの表現力には素晴らしいものがあると思う。次は何をテーマに書かれるのだろう。ちょっと楽しみだ。
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