「場所の分散」と「通貨の分散」による資産防衛(2) | 香港IFA玉利の海外投資夜話

「場所の分散」と「通貨の分散」による資産防衛(2)

2,000万円の現金を
銀行に寝かせていること。

国内では
ごく普通のことなので
なかなか気づきにくいが、
これは海外から見ると
二つの意味で

「一極集中」

という
大きなリスクを背負っている。

まず一つ目は
世界に200カ国近くあるうちの
ただ1つの国だけに資産を
置いておくということに対する
危険性である。

国家は自国領土の
範囲内において法律を制定したり、
政策をおこなったりできるが、
他国に対してそうした権力を
行使することはできない。

少々極端な例だが、
預金が1カ国に集中している状態で
その国で、

「今お金が足りないから、
銀行預金を差し押さえて
その50%を税金として徴収します!」

という政策が
実行されればなす術(すべ)がない。

money

それを避けるためには
預金の一部をその国の
施政の及ぶ範囲外のところに
分散しておかなければならないのだ。

もう一つは
やはり数多く存在する通貨のうちで
日本円というただひとつの通貨で
保有しているということである。

自分の預金が
1種類の通貨に集中していると、
その通貨の価値が下落した場合、
世界レベルで見た自分の資産は
目減りしてしまう。

例えば冒頭の2,000万円は
3年前のUSD1=JPY80のとき、
USD250,000の価値があった。

ところがUSD1=JPY120の今、
その2,000万円はUSD170,000にも満たない。

USD80,000以上の減少。

アメリカ人の
平均年収が約4万ドルなので、
為替差損だけで実に平均的アメリカ人の
2年分の収入を失ったことになる。

凄まじい目減りである。

それを防ぐためには
どうするべきであったか?

理想的には
3年前に手持ちの
2,000万円をすべて米ドルに
変えておけば良かったのである。

そうすれば
今でもUSD250,000を
持っていることになるし、
仮にそれを現在の日本円に
換算すれば3,000万円になる。

まあそんな
100点満点の芸当を
出来る人は誰もいまい。

だがせめて
3年前に半分でも
米ドルに替えておけば
目減りはUSD40,000程度で
収まっているのである。

さらに
世界には米ドルの他にも
ユーロやポンドや人民元や
スイスフラン、オーストラリアドル等々、
それぞれが異なる為替変動をする
いろいろな通貨がある。

将来どれが上昇して
どれが下落するのかを
正確に知るのは困難なことだが、
それぞれをある程度並行して保有すれば

「どれかが下がればどれが上がる」

という状態になり、
世界レベルでの自分の資産の
全体価値はそれほど変動しなくなる。

これが

「場所の分散」と「通貨の分散」

である。

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