好決算のトヨタとメガバンクに思う | 香港IFA玉利の海外投資夜話

好決算のトヨタとメガバンクに思う

2013年度3月期の決算がほぼ出そろった。

フタを開けてみると、
トヨタ自動車が税引き前利益で
1兆4千億円の巨大な黒字を計上して
前期の4,300億円から輝かしい復活を遂げた。

ところが
注意しなければならないのは、
トヨタは日本を代表する輸出企業だから
この結果を見てすぐに円安が作用した
と思うことだ。

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ちょっと思い出してみればわかるが、
円安方向に動き出したのは昨年の暮れ辺りから。

一年の半分以上は
80円程度の凄まじい円高に
苦しめられてきたのである。

その証拠に、
同じく輸出企業である家電業界の
パナソニックの最終損益は7,500億円、
シャープは5453億円と
依然として途方もない赤字に
苦しんでいることことからも明白である。

トヨタの決算書にも、
営業面の努力が6500億、
原価改善の努力が4500億円、
為替変動の影響が1500億円、
その他の要因が154億円と書いてあり、
円安の貢献度は決して高くないことがわかる。

本当に輸出企業の決算における
円安の効果が出てくるのは
2014年度3月期ということになる。

もちろん
この円安トレンドが
今後一年を通じて続くならば、
である。

それ以外に
好調な決算を記録したのは
三菱UFJ、三井住友、みずほの
三大メガバンク。

三行合計で
最終損益は2兆2千億円という
こちらも大きな黒字を計上している。

主な要因は昨年1年を通じて
国債の長期金利が歴史的低水準に
あったことだ。

国債の低金利はそのまま
国債価格の上昇を表しているので
その評価益と売却益が出たこと、

そして年度後半の株高により、
保有株式の含み益が増したことが
大きく収益に貢献している。

海外向けの融資も好調である。

その一方で
まさに「本業」ともいえる
国内企業向けの融資の伸び悩みは深刻で、
国内は貸出金利から預金などの調達金利を引いた
預貸金利ザヤは3社とも縮小が止まらず、
一段と利益が出にくい体質になっているようだ。

そしてこの好決算を支えた長期金利は
日銀が大規模金融緩和を発表して以降
上昇に転じており早くもこれらメガバンクの
2014年度の決算に悪影響を与えることが予想されている。

同じ好調な決算を
記録しているトヨタとメガバンク。

トヨタは地道な努力が
実った結果の業績回復であるのに対し、
銀行はかなり幸運な要素を含んでいると
感じるのは私だけであろうか?

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