ソムリエの追言★イタリアワイン | ワイン│ギフト&モテワイン・交流術・オシャレ

ソムリエの追言★イタリアワイン

ワイン通販 MICHIGAMIワイン


「イタリアワインは、よく解からないんだよね・・・」

BiCE(びーちぇ)東京のチーフ・ソムリエ時代を始め、

お客様から言われることの多いこと、多いこと。

フランスに比べると、ごっちゃになった感じです。

その原因は、地ブドウを使った、

自家消費用(じかしょうひよう)のワインばかりをつくる時代から

売れるワインを作りたいと 

世界市場に目を向けた、

国際的品種(カベルネ、メルロー、シャルドネなど)を取り入れて、

ワインをどんどん造った結果、

ごちゃごちゃになってしまったんです。


かつては、フランスと同じように、

この地には、このブドウを使ったワインと

産地を表すことができたはずなのに。

でも、まだまだ、造り手の中には、

かたくなに、その土地由来のブドウからの

ワイン作りを守り続けている所もあります。

造り手はもちろん、ブドウも知らない、

どんな味わいかも解からないワイン、に手を出すのは怖いです。

そんな中で、有名造り手の多くが世界向けのワイン

(カベルネ、メルロー、シャルドネ)をつくる一方で、

イタリア独自のカラーを出したワインをつくっています。

まずは、世界向けワインを試してから、

その造り手のイタリアの地ブドウで

風味が異なるものにチャレンジしてみるのもいいかも知れません。

イタリア独自のワインへの入り口になると思います。

イタリア代表するブドウ ネッビオーロ からつくられた
バルバレスコ の 色合い(結構きれいです)


リリース直後から楽しめるワインが多いのも

イタリアワインの魅力。

ボルドーの熟成のように20年先ではなく

2~4.5年の熟成で、旨みが出てきます。

ただし、フランスのボルドーやブルゴーニュの熟成の奥深さには、

なかなか敵(かな)わないなぁ というのが、個人的な本音です。


気さくなイタリアワイン。
とくに、リーズナブルなタイプなどは、飲みやすい。

白ワインなどは、まるで水のよう?

イタリアの赤・白ともに酸味が活きています。

特に、赤の国際的品種でも、その酸味が現れていますね。

北イタリアのフリウリのメルローなど、非常に面白いですよ。

そういえば、高額タイプで気になる点があります。

赤・白ともに、なんか厚化粧(あつげしょう)なんです。

特に白ワイン シャルドネを使ったものなど、

リリース直後は樽(たる)の風味ばかりで飲み疲れします。

 また、カベルネ、メルローを使った赤ワインも、

多くはバリック(小樽)を使っていることと、

他の成分より果実の甘さがめだってしまうためか、

なにか、ボルドーとの違和感を感じます。

その分、早い段階から、すんなり飲めるんですが・・・。

伝統的な大樽と小樽


個人的にはイタリアワイン 好きです。
かつては、フランスワインに比べ、

コストパフォーマンスが良いことが売りでした。

それは、昔の話。 15、6年前のイタリアワインは、

ちょうど、日本へ、国際化したワインが入荷し始めたころで、

まだまだ、安かったんです。

この値段で、この味わい!

もちろん、味わいは、売れる味わいへと研究をした成果のものです。

美味しくないわけありません。

そして、徐々に人気がでてくると・・・。

値段があがっていきました。

3倍くらいに騰()がっているワインもあります。

フランスのAOC

(どこどこの産地のワインであることの確かな証明)と

同じ制度がイタリアにもあり、DOCと呼ばれます。

フランスのAOCは、格でいうとトップのクラス。

でも、イタリアでは、さらにDOCの上、DOCGがあります。

そのDOCGが、産地の政治的からみで

どんどこ増えつづけていることも価格が高くなっている要因です。

当店 社長の道上いわく

 「日本のイタリアワインは味の割には高すぎる!」

道上も、イタリアワインを現地で30年以上飲んでいるからこその言葉です。

まったくもって、同感です。

10年以上、レストランで取り扱ってきた私にすれば、

今は驚きの価格ばかりです。

イタリアを代表する藁苞(わらづと)のキャンティ
いまでは、藁苞も高くなってしまったとか・・・・・


当店の舌が肥えたお客様は、

皆ボルドーの地の本来のブドウの持ち味を発揮した

ボルドーの風味になれてしまっています。

ですから、イタリアワインを、うん? ってな感じで、

「それほど美味しくない」なんて、判断してしまいます。

当店でも、過去何度か、

イタリアワインの限定セールを行なってきました。

値段は、脅威の60%越えオフをはじめ、

もう赤字状態での大放出です。

その際にも、説明してますが、

これは、当店の主力ボルドーワインと比較して出した価格です。

社長は、それでいい!

というのですが、ホントに、ここまで安くしていいのか?

と、長年のソムリエとしての経験が邪魔(じゃま)してました。

そんなこんなで、あの中田英寿ブランドのワインまで、

破格の値段でしたから、大好評でした。

その前回が最後と言われていたんですが、

皆様の問い合わせがあまりにも多いので、

現在、社長に掛け合っている最中です。

変わらない日本のイタリアワインの値段の高さにがっかり、

いやむしろ、怒りさえ感じている社長いわく

「破格の値段でなきゃやる意味がない!」とのこと。

イタリアワインの価値を、

皆さん自身が判断していただく機会を早く作りたいと思っています!!


【平野賢一郎】
日本ソムリエ協会 JSA認定 シニア・ソムリエ。
フランス・イタリアワインに造詣が深い。



大好評動画シリーズ!
シャトーから仕入れるワインの試飲会その5
「シニアソムリエも大絶賛の白ワイン。シャトーラモット2001年」

動画はこちらからどうぞ


→バックナンバーはこちら