「ランコのオモシロ着物柄」「更紗」 | BOOKROOM

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本と本屋が大好きな私の、おすすめする本です。

「ランコのオモシロ着物柄」(永田欄子 中央公論新社)

「更紗vision」 (伊藤佐智子 写真 上田義彦  青幻舎)


私はちいさいころ、お経を聞くと妙に興奮する子供で、

お通夜や法事ではいつも

静かにドキドキしながら座っていました。

それと同じく、私が妙にドキドキするものが


ウィリアム・モリスの植物をモチーフにしたデザインとか、

千代紙の模様とか、布の柄とか、

パターン化された文様・模様の布や紙です。


「ランコのオモシロ着物柄」に載っている

ちょっと昔の、大正や昭和の着物や帯の

何とキュートで小粋なことか。

細かい柄のリズムを刻むようなかわいらしさも

大胆な柄のうねるような存在感も、ほんとうに魅力的です。

花、くだもの、動物、それらが踊るさまざまな布は

スウィート、シーズン、セクシーなどの章に分類され、

その章ごとに楽曲が聞こえてくるようです。

レトロで新鮮。大人っぽくてかわいい。



そして「更紗」。これも布の写真集ですが

こちらはインドネシアやペルシャ、インドを中心とした

18世紀から20世紀にかけてのもの。

花弁、波、螺旋。尾の長い鳥。

どの布の文様も、

宇宙的で、官能的で、匂いが強くて、しっとりと迫ってくる感じ。

植物も鉱物も動物も、現れ方は違うけれど

どれもつながりあっていて、ねっこは同じ、というような

そんな気持ちなります。



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