『失踪HOLIDAY』  乙一 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)/乙一
¥580
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***この本は2006年3月頃読了しました***

14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。
大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!
その失踪先は…となりの建物!!
こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって…!?
心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。
その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬、「しあわせは子猫のかたち」を収録。
きみが抱える痛みに、そっと触れます。






著者乙一さんの作品はこれがお初でした。
短編「しあわせは子猫のかたち」と中編「失踪HOLIDAY」の2作品収録。


2作品とも全体的に簡単な語句や文章で書かれており、挿絵のお陰もあり情景も想像しやすく読みやすかった。
ただそのせいか、淡々と読み進めてしまう部分があった気がする。
しかし所々にユニークなアクセントが入れられており、淡々としててもあまり飽きず読めた。
物語り自体も言葉の使い方もとても優しく温かみがあった。


そして2作品とも最後の部分がこれまた温かいのだ。
短編の方は、孤独感から抜け出し、晴れ晴れとした明るい未来への爽快で柔らかい感情と少しの切なさ・・・。
中編の方の温かさは例えると、そう、まるで三畳半ほどの狭い部屋の中で、その大部分を占めているコタツの赤外線の熱に温めてもらったかのような・・・。
そんな風に2作品とも心を優しく温かく爽快にさせてもらった。




両作品ともミステリー風なんだけど、ミステリーとして捉えない方が楽しめるかな。(オチが読めやすいので)


最初、表紙の絵と表紙をめくった1ページ目のカラーの絵を見て、「むっ。オタクの方々の読み物っぽいな」と想像した。
いや、断じてそう言うわけではなかったのである(笑)


こういう作品を、カテゴリー云々ではなく、素直に良いと想える自分がいることに安心した。



★★★★★



その他の乙一作品
『失踪HOLIDAY』  ◇『暗いところで待ち合わせ』  ◇『GOTH』



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