フラッタ・リンツ・ライフ | Book Review’S ~本は成長の糧~

フラッタ・リンツ・ライフ

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life
森 博嗣

中央公論新社 2006-06
売り上げランキング : 8280
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
★★★★★★★★★☆

気付けばついに8月!時間の経つのは本当に早いものですね。今月のこのブログの目標は、できるだけ多くの人に見てもらえるように努めるということに決めました。まずは、毎日更新することが大切ですね。あとは、いつもトラックバックさせていただいている他のブログのみなさんのところにコメントを出来る限り残すなどをしていきたいと思っています。仕事でも目標を持って、本格的に取り組み始めたので、こちらでも頑張ります。

さて、今日の本は森博嗣さんの『スカイ・クロラ』シリーズの第4作目です。古本屋でこの本を見つけるまで最新刊が出ていることを知りませんでした。最近、新刊のチェックを本屋さんでしていなかったからですね。やっぱり情報を手に入れるためには自分の足で探し回ることもすごく大切だなって感じます。

半年間ぐらいで、このシリーズを読んでいるのですが、早くも今作品の主人公である『クリタジンロウ』が誰だったのか思い出せませんでした。かすかな記憶をたどって出てくるのは、何作目かで名前を見たことがある、あまり目立っていない人物だったということだけでした。前作までを東京まで持ってきていないので確認ができないのですが、たしか『クリタジンロウ』は死んでいたような気もします。これについてご存知の方はこっそりメッセージで教えてください(笑)

今回も独特の世界観が展開されています。短い文章の連続で表現される刹那的な雰囲気、疾走感。次第に明かされていく『キルドレ』の秘密。そして『クサナギスイト』の全貌。

『クリタ』の『キルドレ』としての葛藤、空虚感、『クサナギ』と同じようなパイロットとしての感覚、そして『人間』との違い。などの要素がこのシリーズのテーマ?として徹底して表現されています。繰り返される現象、それでいながら深化していく感覚。どことなく哀しくて、どことなく愁いを帯びて、空への憧れを思い起こさせてくれる作品です。

予定では残り一冊でこのシリーズも完結となりますが、残り一作品でどこにもっていくのか楽しみでもあり、寂しくもあります。次第に飛行機の演出も減ってきて、日常や心境の描写が増えてきているので、逆に初めは慣れなくて読みづらかった飛行機のシーンが少なくて物足りなさを感じてしまうぐらいにまでなっていました。

ただ、言葉というのは、いつもこんなふうに、綺麗に飾って現れるものなんだ。人の心の中を見せているわけではけっしてない。

人は、力を持っている。
力に憧れている。
力が欲しい。
それが自由だと知っているからだ。
~中略~
人を自由にするのは、力だ。
人はそれを持っている。


ふたつだけ抜粋しましたが、要所要所で出てくる誰かに語りかけるようなセリフのようなひとつの詩のようなフレーズが人間のいろいろな側面を表しているようですごく好きです。

シリーズが完結したら、もう一度最初からいっきに読み進めてみようと思います。そうすると、今まで気付かなかったメッセージにも気付けそうです。

にほんブログ村 本ブログへ ←面白い書評ブログがたくさんあります


◆トラックバックさせていただいたブログ◆

Celestial Blue 森博嗣 フラッタ・リンツ・ライフ(中央公論新社)
あくがれスクラップ: フラッタ・リンツ・ライフ
井上の暇潰し編:読書(フラッタ・リンツ・ライフ)
Over the Rainbow 「フラッタ・リンツ・ライフ」
露草子:フラッタ・リンツ・ライフ
フラッタ・リンツ・ライフ v  i  n  t  a  g  e  -  s  m  i  l  e    
+ ChiekoaLibrary + | フラッタ・リンツ・ライフ [森博嗣]
ミステリ不全症候群。 「フラッタ・リンツ・ライフ」森博嗣、読了。(☆☆★)
Clear Sky Way: フラッタ・リンツ・ライフ/森博嗣
My Room:小説/森博嗣 「フラッタ・リンツ・ライフ」
clouddrift日和 | 森博嗣 「フラッタ・リンツ・ライフ」
ぴかりの日記:フラッタ・リンツ・ライフ