スカイ・クロラ
スカイ・クロラ
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小説が続きますね。これからしばらくは8割ぐらいは小説の感想を書いていくことになりそうです。たまにはエッセイとか実用書関連も書いていきたいと思います。スカイ・クロラは森博嗣さんの作品です。僕にとって森博嗣さんの作品初体験でした。友達が森博嗣にはまっていて名前だけは記憶に残っていたので、フィルタとして頭にインプットされていました。
実はスカイ・クロラを読む前に続編のナ・バ・デアを先に読んでしまっていました。このシリーズ、1・2・3・・・といった風に巻付けされていないので、わからなかったんです。ある意味反則でしたが、時間軸的にはナ・バ・デアの方が過去の話だったのでスムーズに読むことができました。
ナ・バ・デアでは飛行機での戦闘シーンがあまりにも専門的過ぎてイメージすることもできず、少し置いていかれてしまった感が拭えなかったのですが、この作品はそういった箇所も少なく非常に面白かったです。
何よりも詩的な文章の書かれ方が非常に綺麗でいて、かつ抽象的なところが今まで読んできた作品にはない魅力がありました。押し付けるわけではなくやんわりと、作品が持つ価値観やメッセージを伝えてくるような印象を受けました。
永遠に行き続ける"キルドレ"という存在。このキルドレがパイロットとして生きていく中での葛藤や周辺のやりとりが秀逸です。この"キルドレ"と"パイロット"というキーワードから「生と死」について考えさせられる内容に仕上がっています。刹那的に生きること、合理的に生きる目的を探すこと、死に場所を求めること、何が正しくて何が間違っているのかはわからない。でも、その世界をちょっと見ることに意味はあるのかもしれないな、なんて思わせてくれました。
一本のしっかりとしたストーリの軸があるにはありますが、どちらかというとストーリー自体は付属している感じで、その点では純文学と言えるのかなと思いました。まだ、このシリーズは2作目までしか読んでいないことになるので、判断がつきませんが・・・。このスカイ・クロラシリーズは全5巻で終了予定だそうです。現在は3作目のダウン・ツ・ヘブンまで発刊されています。もうすぐ新作が発刊されるそうです。
森博嗣さんの作品で一番有名なすべてがFになるも購入済みなので、読んでみたいと思います。こうして、最近小説を読む機会が増えてきたのですが、本当に素敵な作家はたくさんいるんだなと嬉しい気持ちでいっぱいです。
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