パーク・ライフ | Book Review’S ~本は成長の糧~

パーク・ライフ

<storng>パーク・ライフ</storng> パーク・ライフ
吉田 修一

文藝春秋 2004-10
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おすすめ平均

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★★★★★★☆☆☆☆

小説の頻度が増えてきていますが、気にしないでくださいね(汗)100円で売っているのを見つけて、比較的新しいことと芥川賞を受賞している作品だからという「なんだかなぁ」な理由で購入した本です。

パーク・ライフだけがこの本の中に入っていると思い込んでいたのですが、もう一作品と合わせて入っている短編小説でした。


ララピポでも、ララピポが今まで出会ったことのないタイプの小説だったと感想を書きましたが、この本でも違う点で今まで出合ったことのないタイプでした。上手く表現ができないのですが、段落と段落の間を読む(想像する)努力を要する、もしくはそうすることで作品を楽しむことが求められるという感じです。また、明確な作者が押し出す結末がなく、その後は読者の想像にお任せするというスタイルです。

と、ここまで文章にしながらこういった形式が身近にあることに気づきました。それは、漫画の最終回です。漫画は大好きで現在も週刊誌等で合計30作品ぐらいは読んでいるのですが、そういう作品で違和感たっぷりの終わり方をして、読後に気持ち悪さを覚えるのを思い出しました。

ただこの作品は、そこまでの気持ちの悪さ、後味の悪さは無く、もっと優しく読者にボールを投げてくれる印象です。二作品目のflowerでも同じような書き方だったので、吉田修一さんの文学スタイルなのかもしれません。こういった作品に慣れていないので、少し戸惑ってしまいました。

パーク・ライフのキーワードは「からだ」です。はい、僕が勝手に決めました。あからさまに書かれているので、誰でも気づくし、そう思うはずと確信していますが。いつもどおり小説の感想なので話の内容については触れません。ただ、ここまで全く触れない感想というのも参考になるのかどうか不安ではあります。

このような作品がもしかすると「純文学」というものなのかな、と思いました。何も考えることもなく読み進められる小説もいいですが、たまには自分の想像力を刺激してくれるこんな作品も素敵だと思います。というより、この本の良さがもっとわかるぐらいに読書力をつけたいと思います。

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