欠陥住宅物語 | Book Review’S ~本は成長の糧~

欠陥住宅物語



著者: 斎藤 綾子
タイトル: 欠陥住宅物語
★★★★★★☆☆☆☆



2冊目にビジネス関連を持ってこようと思いましたが、あえて小説でいきます。この本は昨日の朝に衝動買いした作品です。読むまで作者のことも内容も全然把握していませんでした。帯に書かれた

「男に依存せず、男を切らさず、男と同居せず。」

に何となく惹かれた感じです。帯の効果ってあなどれないですね。小説を読むのが久しぶりだったので、楽しくてあっという間に読み終えました。

◆あらすじ◆
この作品は作者の実話、もしくは実体験をモデルに書かれています。40才を過ぎてから家を持とうと決めた一人の女性が、不幸にも欠陥住宅を掴まされて裁判で大変な思いをする、といった内容です。

1章では、家を持つ決意をしてから購入するまで
2章では、実家を飛び出してから
3章では、欠陥住宅と知ってから


というわかりやすい構成で書かれています。本業?は官能小説ということで、ところどころにそういった性描写が書かれていて、うまくアクセントの役割を果たしています。

◆感想など◆

勝ち組?負け組?
最初ははずれ引いたかなーなんて思っていたのですが(失礼)、2章から作者のキャラクターや人生に引き込まれてしまい、後半はすごいペースで夢中になって読むことができました。だらーっとした人間なのかと思えば、まわりに慕われていたり、リーダーシップを発揮したり、しっかりものだったりして、作者ご本人は魅力的な女性なんだろうな、とイメージできます。

世の中では「勝ち組、負け組」という概念が流行しているようですね。それに当てはめると作者は「負け組」となるのでしょうか。こういう生き方もあるんだなって考えさせられました。

独身女性の楽しみや苦労などを作中から垣間見ることができます。一生独身を決めた女性の心を少し知ることができて勉強になりました。かなり、結婚しない女性に対する偏見が薄れたと思います。似たような感覚を持っている方は是非読んでみて下さい。

マイホームについて考えよう
そして本のタイトルにもなっている、メインテーマの欠陥住宅についてです。不況と言われている中で、自分の家を持つことは人生の大博打と言っても過言ではないでしょう。その大博打に作者は負け(=欠陥住宅)てしまいます。一級建築士の先生を呼び、彼に欠陥住宅と宣告された時の作者のショックは、文中から痛々しいほど伝わってきます。

作者は建築士と弁護士と協力し合って、売主・不動産業者・建築業者の3つも敵にして孤軍奮闘します。裁判がどれだけ大変なのか、どれだけ原告は不当な扱いを受けているのか、日本の司法を考えるには十分なストーリーが詰まっています。

これだけ自分の半生をドラマチックに面白く、時には真面目に書けるってすごいことだと思います。人生勉強に、仕事の息抜きに、そろそろ家を買おうかなと思っている方にオススメの本です。

うーまだまだ要点を絞って書くのが苦手です。まだまだ長いですが、最後まで読んでくださった方ありがとうございます☆この調子で頑張っていきますのでよろしくお願いします(^o^)