福知山線事故6年 | 読書日記PNU屋

福知山線事故6年

 本日はJR福知山線脱線事故から六年である。
 そこで、本日はこの事故に関連した書籍を二冊ご紹介したい。

JR福知山線脱線事故―2005年4月25日の記憶JR福知山線脱線事故―2005年4月25日の記憶
JR福知山線脱線事故被害者有志

神戸新聞総合出版センター 2007-04


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 あの事故より生還した人々の証言集。記憶の鮮明さに驚かされ、心に受けた傷の深さに胸が痛む。中でも、イラストで事故の瞬間の衝撃を表現したページは、読み終えて一年ほどたつがありありと脳裏に残って消えない。
 これだけの大事故であるから、生還した人の中には【生き残ってしまった】と、罪悪感を持つ人もおられた。罪悪感を持つ必要などないのだとわかってはいても、そういう気持ちが止められないのだろう。
 負傷をしているのに、医療機関でろくに診察してもらえず、結果後遺症の残ってしまった方の話もあり、救急システムのことも考えさせられる本だった。

そして、遺されたもの―哀悼 尼崎脱線事故そして、遺されたもの―哀悼 尼崎脱線事故
「週刊文春」特別取材班

文藝春秋 2005-06


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 前掲の書籍が生還者の本であったのに対し、こちらは事故で亡くなられた方のその日のこと、それまでの人生を遺族が語っていくノンフィクションだ。
 哀切極まりない内容で、誰もが夢を持って精一杯生きていたことを読むにつけ、事故のむごさを思う。

 私自身は、マンションに激突した車両が変形し、ひしゃげた映像をTVのニュースで見たのみだが、いまだ昨日のことのように映像を思い出す。飛行機や車より安全性が高いとされている(されていた)電車の大事故だったから、たいへん衝撃だったのだ。
 事故の原因には、会社側にダイヤを厳密に守ろうとせんがためのやりすぎがあったとされ、以来電車は遅れがちになった。時刻表がある以上は遅れないにこしたことはないが、事故が起こることに比べれば、数分の遅れなど、どうということはないと個人的には思う。