泉修三「スパイと公安警察」 | 読書日記PNU屋

泉修三「スパイと公安警察」

スパイと公安警察-ある公安警部の30年スパイと公安警察-ある公安警部の30年
泉修三

バジリコ 2009-01-07


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 日本に群がる各国のスパイを、創意工夫あふれた捜査方法で監視してきた著者の、警察官人生ノンフィクション。

 なにしろ著者の気っ風がよいので、読んでいて清々しい。北芝健「警察裏物語」ファンの人なら気に入ると思われる。
 スパイとの丁丁発止のやり取りは臨場感がありスリリングだ。

 ただ、一方で著者の病気と恋愛に関する章は、描写がやや唐突でわかりにくいように思える。著者ご本人にとってはこの章を入れることが重要なのは理解できるけれど、もっと捜査現場のあれこれを読みたかったなあ、とわがままな読者は思うのであった。