田中啓文「チュウは忠臣蔵のチュウ」
チュウは忠臣蔵のチュウ 田中 啓文 文藝春秋 2008-09 Amazonで詳しく見る |
忠臣蔵をなぞりつつもひっくり返す、講談のはじまり、はじまりー。
私は忠臣蔵に全く興味がなくて、ドラマも映画も見たことがない。それなのに粗筋を知っているのは、何やかやで忠臣蔵が有名だからなんだけど。本書を手に取ったのは、著者の小説が好きだからだ。
そんなわけで、おおむね筋書通りに進むうちはとっつきが悪かったが、あの人が生きていたりあの人がテラいい加減だったりしだしてからは面白くなってきた。何がすごいって、この小説マトモな人はみな死んじゃうんだぜ。すごいようなずっこけのようなラストは好みが分かれそうだが、変わったものを読ませていただいた気分。