ヘヴンリーブルー / 村山由佳 | 活字中毒

ヘヴンリーブルー / 村山由佳

天使の卵 という本を知っていますか?今月、映画 が公開されることになって再注目されているのですが、私がこの本と出会ったのはたぶんまだ学生だった頃じゃないかな。そして、最近になってこのヘヴンリーブルーという本に出会いました。これは天使の卵の続編。実は私が知らなかっただけで、2年ほど前に「天使の梯子 」という続編を書いていたらしいので、これで3作目になるそうです。


天使の卵は19才・学生の歩太と27歳・精神科医の春妃の恋の話を描いたものです。そしてここに絡んでくるのが春妃の妹である夏妃19才。歩太と夏妃は高校生の頃から付き合っていたのですが、歩太の父が入院している病院に勤めていたのが春妃。そして歩太は春妃が夏妃の姉だということを知らずに恋に落ちてしまったのです。歩太の強い想いに揺り動かされ、妹の恋人と付き合うことになった春妃。当然、歩太は春妃と付き合うために夏妃と別れます。しかし、春妃は夏妃に秘密にしていたにも関わらずばれてしまって。ラストはとても悲しい結末で終わるのですが・・・。


このヘヴンリーブルーはそこから10年たった設定で始まります。夏妃29歳が当時のことを振り返りながら物語が語られていくのですが、残念ながらこの本は天使の卵を読んだことがある人にしか楽しめないと思います。これだけ読んでも「なんじゃこれ?」といった感じ。でも、天使の卵を読んでいた&天使の梯子を読んでいなかった私には、あの時、そしてあれから夏妃がこんな風に生きていたのかとしんみり読みました。


この本は天使の卵を読んだ人にだけオススメです。ちなみに天使の梯子を読んだことがある人は「ヘヴンリーブルーは2つの作品を抜粋して作ったような話で、新しいものではないからつまらなかった」という感想をどっかで読んだので、あまり新鮮な感じではないのかもしれません。私は梯子を読んでいなかったので、この作品は充分楽しめましたよ。

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村山 由佳 
天使の卵―エンジェルス・エッグ
村山 由佳 
天使の梯子


そういえば、天使の卵に出てくるアクセサリーがあるんです。歩太が春妃にプレゼントしたものなんですけど、まさに「天使の卵」というブランドの商品なのです。卵に天使の羽が生えているモチーフでとてもかわいらしいものです。作家の村山さんはこの天使の卵というアクセサリーを見たとき、この作品を構想したらしいですよ。私も一目ぼれしかけた時があったのですが、あまりに可愛らしすぎるデザインなので、私に似合わなさそうということで結局買うのをやめた記憶があります。懐かしいなぁ~。


   
タイトル:ヘヴンリー・ブルー

著者:村山 由佳
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