ノース ~ちいさな旅人~ / アラン・ツァイベル | 活字中毒

ノース ~ちいさな旅人~ / アラン・ツァイベル

FA宣言して、より良い条件の親を探す少年の話です。

ノースはスポーツも万能、成績優秀な模範少年。たった1つの不満が両親のこと。ノースの両親は、こんなにすごい息子をもっているのに、ちっとも彼の話を聞いてあげないんです。野球で頑張ったこと、学校で先生に褒められたことなど、両親にノースは聞いてもらいたいんです。ノースの両親は共働きなので話ができるのは夕食のときだけ。必死に聞いてもらおうとするんですけど、2人とも自分の話をするのに夢中でノースが口を挟む隙もないって感じ。 おかげでノースは両親に注目してもらうために、発作がおきるようになってしまったんです。あまりのひどさに病院へ行くのですが、改善される様子はありません。

そこでノースは考えた。両親を代えてしまおう!と。フリーエージェントで養子にしてもらうことを考えたんです。ノースの計画は全国で一番よい条件をノースに出してくれた両親の元へ養子として行こうというものです。ところが。。。。。



フリーエージェントで両親を違う人に代えてしまおうというのだから、大胆な発想ですよね。しかも、それで応じる大人がいるというのもすごいんですけど。このノースの宣言で町の子供たちは力を得るんですよ。なぜなら、ほかの家の両親達が自分の子供もFA宣言をしてしまうと困ると思ったからなんです。子供たちは甘やかされ、好き放題。おかげで大人たちは大変な思いをするわけです。


親の条件がよければ、子供は幸せになれるのか。

優秀な子供を、お金や土地などの力で買おうとする大人たち。

ノースは最後にどうなるのか。


ちょっと馬鹿げた設定ですけど、なかなか考えさせられました。思春期で親が嫌だなぁと思っている子供が読んだらおもしろいかも。結局はどんな条件が良い親でも愛情がなければ意味がないということに気がつくかもしれません。


著者: アラン ツァイベル, Alan Zweibel, 常盤 新平
タイトル: ノース―ちいさな旅人