ベムカメSHOW 2017.6 ~サージェント・ペパーズとロックンロール~ |  CHOCOLATE YELLOW 

ベムカメSHOW 2017.6 ~サージェント・ペパーズとロックンロール~

Big Daddy “She's Leaving Home” 


6月7日は、偶数月の第3水曜ですので 
いつものように練馬BE-bornでベムカメライブがありました。 
そしていつものように僕はPAと照明。 

1stステージのオープニングは“ダイアナ”からスタート。 
その後もベムカメお馴染みのナンバーが並びました。 
僕の母はオールディーズの中でも 
“カレンダーガール”と“ハローメリールー”が好きなので連れて来たかった。 

◆ 1st Stage ◆ 

♪ダイアナ/ポール・アンカ 
♪恋の片道切符 ~One Way Ticket(To The Blues) ~/ニール・セダカ 
♪踊りに行こうよ ~At The Hop~ 
  /フラッシュ・キャデラック&ザ・コンティネンタル・キッズ 
♪ハロー・メリー・ルー/リッキー・ネルソン 
♪カレンダー・ガール/ニール・セダカ 
♪ツイストで踊りあかそう ~Twisting The Night Away~/サム・クック 
♪オンリー・ユー/ザ・プラターズ 
♪煙が目にしみる ~Smoke Get's In Your Eyes~/ザ・プラターズ 
♪シェイク・ラトル・アンド・ロール/ビル・ヘイリーと彼のコメッツ 
♪トゥッティ・フルッティ/リトル・リチャード 



さぁ、冒頭でお聞きの曲はイントロから“ダイアナ”が始まるのかと思わせて 
歌に入ると全く違う曲が始まります。 
このメロディと歌詞は、ビートルズの“シーズ・リーヴィング・ホーム”。 

“シーズ・リーヴング・ホーム”は、今年6月に発売50周年を迎えた 
ビートルズの最高傑作といわれるアルバム 
『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の1曲です。 
そのダイアナ風カバーとなります。 

初めてビートルズの『サージェント・ペパーズ』を聞いた学生時代の僕は 
いくら最高傑作と世間で言われても全く心に響きませんでした。 
僕にとっては「なんでロックンロールが1曲もないのだろう」 
…という疑問と不満だけでした。 

というのも当時のビートルズはロックンロールを全くやらなくなったからです。 

アルバムの冒頭でポール・マッカートニーは「楽しいショーの始まりだよ」と 
高らかに歌いますが、いかんせんロックンロールが1曲もないもので 
効果音を使って楽しそうなショーの雰囲気を出しても何も感じなかったんですよね。 
メロディは淡白、テンポは遅い、歌詞も難解。 

新聞紙のタクシー? 雨漏りの穴の修復? 事故死した議員? 

一体誰に聞かせるんだ…犬か? 

実際そのアルバムの最後には、犬にしか聞こえない音まであるのだ。 

そんな事を思っていた頃、僕の目の前に理想的な 
別の『サージェント・ペパーズ』が現れました。 

ジャケットを見た途端、中の音楽も確認せずにに即買い。 
ご覧ください!右側の写真がそれです。 


サージェント・ペパーズそっくりのジャケットですが、立っているメンバーは 
革ジャンに、リーゼントに、サングラスと、ロックンロールな方たちなんですよ。 
アイテムたちも、ジュークボックスに、カウボーイに、ウッドベースと 
後ろから前からロックンロール! 

これは絶対に僕の好きなアルバムになると確信しました。 
音楽が想定できるという点で、もはやジャケ買いですらなんですよね。 

彼らはビッグダディというオールディーズバンドでして、 
ビートルズのサージェントペパーズの25周年だった1992年に、 
このパロディアルバムをリリース(実際のレコーディングは80年代)。 
ビートルズと同じ曲順ですが、全部オールディーズ風。 

このビッグダディのアルバムは僕にとってバイブルになりました。 

ビートルズが捨ててしまったロックンロールを拾い集めてくれただけでなく 
このおかげで本家ビートルズの方まで、面白さがわかって来ました。 

実際、このアルバムの制作に当たってビッグダディのメンバーは 
「もしもビートルズが音楽のスタイルを変えずに、 
ずっとロックンロールをやり続けたままアルバムを制作したら…」 
という妄想で作ったものであります。 
すけー、ありがてぇ妄想! 

解説書がまた笑える。僕の人生で出会った中でも好きな解説の一つです。 

大抵、ミュージシャンはカッコつけたがるじゃないですか。 

英雄と伝説が大好物ですからね。「俺、凄いだろ、凄いだろ」って話をしたがる。 
そんな話に食傷気味でウンザリな時、ビッグダディだけは、どんなにバカなのかを 
延々解説されていたのです。活字の上においてもエンターテイメント。 

そして元ネタの曲選びに関しては当てずっぽではなく 
それなりに根拠がある事もわかりました。 

“シーズ・リーヴィング・ホーム”は家出をした少女と、落胆する両親の話。 
“ダイアナ”は年上の女性に熱烈にアプローチをするも 
彼女の方が世間体を気にして消極的なので「どうかそばにいて」と懇願する歌。 
「どうか行かないで系」という類似性だけで関連付けています。 

“ホエン・アイム・シックスティー・フォー”は彼女にプロポーズする歌で 
64才になっても僕を必要としてくれるかい?と問いかける歌でありますが 
ビッグダディーはビリー・ワード&ザ・ドミノスの“60ミニッツ・マン”風。 
64才までという長い歳月に対して、60分という短い時間で対抗しています。 

“フィクシング・ア・ホール”は、雨漏りがどこから来てるのか 
どこに流れて行くのかを考えなくていいように、穴を塞いでいる男の歌で 
ポールにしては哲学的な歌でありますが、解釈によっては、職を持たずに 
ずっと家にいる人みたいで、それにちなんでか、 
ディオンの“ワンダラー(放浪者)”の曲調で歌われています。 

どれもこれも説明されなければわからない(笑)。 
でもわかった時の感動は何ものにも変えがたい喜びです。 

Big Daddy “Fixing A Hole” 


さぁ、ではベムカメセカンドステージです。 
“ワンダラー”ではありませんが、ディオンの曲も登場しました。 

ビッグ・ダディのパロディーする“サージェントペパーズ”は 
コースターズの“ポイズン・アイヴィー”風で歌われていましたが、 
ベムカメのセカンドステージもコースターズの曲からスタートでした。 

◆ 2nd Stage ◆ 

♪ザット・イズ・ロックンロール/ザ・コースターズ 
♪ヘイ・ポーラ/ポールとポーラ 
♪雨にぬれても ~Raindrops Keep Falling On My Head~/BJトーマス 
♪サーフィンUSA/ザ・ビーチ・ボーイズ 
♪この世の果てまで ~The End Of the World~/スキータ・デイヴィス 
♪浮気なスー ~Runaround Sue~/ディオン&ザ・ベルモンツ 
♪マイ・ガール/ザ・テンプテーションズ 
♪おもいでサマーナイト(Lonely Summer Nights)/ストレイ・キャッツ 
♪カモン・レッツ・ゴー/リッチー・バレンス 
♪ラ・バンバ/リッチー・バレンス 


セカンドステージは6月という事もあってBJトーマスの“雨にぬれても”が 
歌われましたが、その後、次回のBE-bornでのベムカメSHOWが8/30と 
もう夏の終わりになるので、今のうちに梅雨明け後の選曲… 
“サーフィンUSA”と“ロンリー・サマー・ナイト”まで登場しました。 

1stステージでは、亀ちゃんの“オンリー・ユー”、 
ベムさんの“煙が目にしみる”とプラターズを2曲を続けて歌われる 
いわゆる「プラプラ」がこのライブの名物の一つですが、 
実は地味に2曲セットになっているアーティストがもう1つあったんですよ。 

リッチー・バレンスの“カモン・レッツ・ゴー”から“ラ・バンバ”。 
こちらも亀→ベムの流れです。この2曲には特に名前はございませんが、 
僕は個人的にバレンスにちなんで「バレバレ」と呼んでいます。 

そしてセカンドステージでは久々に亀ちゃんと益美さんのデュエットによる 
“ヘイ・ポーラ”が登場したのですが、お客様からのリクエストもあって 
同じ2ndステージで益美さんがソロで歌う 
“この世の果てまで ~The End Of the World~”も聞けました。 

益美先生祭りでした。 

そうそう、いつも僕のベムカメライブレポートには写真がないんですよ。 

片手に照明、片手にミキサーのツマミ、唇に歌、背中に汗と、 
ハンパなワインより酔わせてくれるくらいの忙しさだからです。 

誰かの録った写真でももらいたいけど、 
そしたら1日ブログアップが伸びるだろう。 
すぐに送ってくれと求めるわけにもいかないんでね。 
PAはいつでも不幸なサムライ。 

でも今回はあまり照明を動かさないスローナンバーの時と 
トークと合間にサーッと前に出て写真撮って戻ってきました。 

どうして写真を撮ろうとしたかというと、 ベムカメは今回新しい衣装だったからです。 
ベム:赤、カメ:青 


新しいジャケットを買いに行った話は聞いていましたが、 
本人たちも当日まで伏せていたようでして 
どんなものを買ったかまでは聞いてませんでした。 
最近BE-born以外の営業も多くなりましたし、 
これならももいろクローバーZみたいに色で覚えてもらえるかもしれませんね。 

偶然にも僕は、黄色のシャツ、黄色の短パン、黄色のソックス、黄色のサンダル。 
もはや全部過ぎてコーディネートですらない。 


しかし僕はミキサー前の閉ざされた空間にいますからね。 
誰にも気づかれず全く報われませんでした(笑)。 
PAはいつでも不幸なサムライ。幸せに照れてる事もあるんだよ。 

では、ここで、次回のベムカメの告知でございます。 
練馬BE-bornは7月で10周年を迎えます。同時にベムカメも10周年。 

それを記念しまして、このベムカメSHOWが江古田バディにて 
7月30日スペシャルイベントを開催する事になりました。 


BE-born以外の店なので僕はPAも照明もお役御免。ゆっくりお酒を飲めます!! 

18:30オープン 3500円(1 Drink付き) 

1stステージが、ベムカメとPURE'Sによるオールディーズステージ 
2ndステージが、谷ちえ子さんと中村詠子さんによる歌謡ステージ 
3rdステージが、ベムカメによるエルヴィスステージです。 

チケットのお求めはBE-bornのホームページか、関係者まで。 
http://livebar-beborn.com/170730event.htm 

ベムカメこはれまでも、5周年、7周年など、エルヴィスイベントを 
やっていましたが、前期、後期分けが面白いんですよね。 

本当のエルヴィスを見ていても“ハートブレイクホテル”の頃と 
“オールウェイズ・オン・マイ・マインド”の頃と別の人みたいですからね。 

ちょうどベムカメのお二人の好みというか、得意としてるところが 
その両端に分かれるんですよ。亀ちゃんはジャンプスーツの頃の 
後期のエルヴィスが大好きですし、ベムさんは初期というか 
オールド・ロックンロールを得意としてますからね。 

1人の人が演じるエルヴィスよりも、別々にやった方がずっと面白いんですよ。 

では、今回の3ステージのオープニングで流されたCMをここで。 



ちなみにもしエルヴィスを3期に分けるとすれこうですかね。 

 前期:(1954~1960)デビュー~徴兵 
 中期:(1960~1968)除隊~カムバックスペシャル 
 後期:(1968~1977)カムバックスペシャル~他界 

こう分けると僕が一番好きなのは中期なんですよ。 
映画俳優時代で世間からは一番人気がないのですが 
前期と後期はエルヴィスのスタイルが固定している時期、 
中期だけはいろんなスタイルを演じるエルヴィスなんですよね。 
だから中期風っていうのは存在しないわけです。 
でもポップスとしては一番面白いんですよ。 

そんな中期のエルヴィスで僕が一番好きな曲は“マリーは恋人”。 

“マリーは恋人”は、友人に新しい彼女が出来たと嬉しそうに 
彼女の話をしているのを聞いているうちに、以前自分と付き合った女だとわかり 
アイツはいつもそんな手口で男を捕まえているのかとボヤく歌です。 

Big Daddy “Lovely Rita” 



ビッグダディーは『サージェント・ペパーズ』のパロディアルバムで唯一 
エルヴィスの曲を使いましたが、“ハートブレイク・ホテル”でも 
“ラブ・ミー・テンダー”でも“ハウンド・ドッグ”でもなく、 
あまり知られていない“マリーは恋人”だったんです。 

ビートルズの“ラブリー・リタ”は駐車違反を切られた男が婦警さんを口説き 
成功するも、家に行ったら小さな子供のおもりをさせられたというお話。 
一杯食わされた感は非常に似ています。その割に明るく楽しい曲だけど。 

さて、ベムカメの3rdアルバムは7/30の予告編という事で、 
エルヴィスの曲も登場しました。 

◆ 3rd Stage ◆ 

♪ハートブレイク・ホテル/エルヴィス・プレスリー 
♪イッツ・ナウ・オア・ネバー/エルヴィス・プレスリー 
♪故郷に帰りたい ~Take Me Home, Country Roads~/ジョン・デンバー 
♪恋の特効薬 ~Love Potion No.9~/ザ・クローバーズ 
♪SHE/エルヴィス・コステロ 
♪あなたの肩にほほうめて 
  ~Put Your Head On My Shoulder~/ポール・アンカ 
♪ジョニー・B・グッド/チャック・ベリー 
♪セイ・ママ/ジーン・ヴィンセント 
♪火の玉ロック ~Great Balls Of Fire~ /ジェリー・リー・ルイス 
♪レッツ・ツイスト・アゲイン/チャビー・チェッカー 

◆ encore ◆ 

♪ハウンド・ドッグ/エルヴィス・プレスリー 
♪恋の大穴 ~A Big Hunk'O Love~/エルヴィス・プレスリー 



“ハートブレイクホテル”や“カントリーロード”、“ハウンド・ドッグ”では 
カメちゃんが珍しくアコギを持って歌っていました。 

“ハウンド・ドッグ”といえば、大抵ベムさんが歌う事が多くて、 
ベムさんの時も4ビートの日とエイトの日とありますし、 
スローなオープニング付きとそうでない時とあります。 

今回はカメちゃんの“ハウンドドッグ”で、しかもアコギを持って 
エイトで歌われていたので、結構貴重でした。 

今日のオープニングも“ダイアナ(カメ)”と“恋の片道切符(ベム)”でしたが 
時々この担当を逆にして照明の僕を狂わせる時があるんですよ(笑)。 
「さまよう青春」ならぬ「さまよう照明」。 

そしてこのステージではエルヴィスはエルヴィスでもコステロの方もありました。 
こちらはオリンピックくらいのペースで数年に1度歌われます。 


それにしてもビッグ・ダディーは悪ふざけが多い。 
ビートルズのジャケットの裏側はこんな風になっています。 


ポール1人だけが後ろを向いていて、ポール死亡説の証拠とされていました。 

一方ビッグダディの方も同じ赤い背景で真似をしていますが… 


1人だけ前を向いていて、他全員が後ろを向いています。 

ビートルズの表ジャケットのポールの頭上に手のひらがあり 
こればインドかどこかでは死を意味するという事で、死亡説の証拠となってますが 
ビッグダディはメンバーの後ろにミイラを置いていて、 
わざと死亡説を臭わそうとしています。 
解説では「彼は死んでいないが、死んだ方がいい」と辛口で非難されていました。 
世間で酷評されるのではなく解説の段階で酷評されてる(笑)。 

ビートルズのサージェント・ペパーズの歌の第一声の歌詞は 
「20年前の今日」という言葉から始まります。 

その歌詞に沿ってビートルズのサージェント・ペパーズが初CD化した際は 
レコード発売の丁度20年後の同日に発売されたんですよ。 
ビートルズはそういうイキなはからいをするんですよね。 

ビッグダディーはこれに便乗して、ビートルズのサージェント・ペパーズから 
「25年後の今日の翌日」という字余り感でウケを狙うために 
1日発売を伸ばしいます。それも解説に書いてなければ気づかない話(笑)。 

続いては、このベムカメの最後のステージ歌われたジェリー・リー・ルイスの 
“火の玉ロック”風の曲がありましたのでどうぞ。こちらも字余り間満載。 

Big Daddy “Lucy In The Sky With Diamonds” 


もう一つ。“グッドモーニング・グッドモーニング”のエンディングでは 
ビートルズ版では動物の鳴き声がいくつか聞こえます。犬や猫や馬。 
ジョンの提案で、生存競争とか食物連鎖を連想する順番にという事らしいですが 
よく聞くと猫が馬を食うのか?それとも馬が猫を食うのか?って矛盾が生まれ 
そんな順番でもない事がわかります。食物連鎖というよりは、 
トムとジェリーみたいに、大きい順、強そうな順のような意味でしょうか。 

これに対してビッグダディは、同曲のエンディングで全く意味不明の音が 
入っていました。男が鼻歌を歌いながらシャワーを浴びる音です。 

「男にとって生存競争に勝つという事は、いい女をモノにするという事だ。」 
…ということらしい。そこまでつながらなかった(笑)。 
 

まぁ、確かにシブがき隊も“Hey!Bep-pin”の中で 
♪イカした女をモノに出来なきゃ男に生まれた意味はないのさ~ 
…と歌っていますからね。森雪之丞さんがそこまでおっしゃるのなら 
ビッグダディの主張を少しばかり有利に見てあげてもいいと思いますが。 

ま、しかし、悪ふざけのようでアルバムのフィナーレはちょっと感動でした。 

ビートルズの話からすると、エンディングの“ア・ディ・イン・ザ・ライフ”は、 
ジョンレノンがピアノの前に新聞を置いて記事をピックアップして、 
生涯の中の1日を切り取って歌にして、その後とてつもない音のせり上がりが訪れ 
中間部ではポールによるポップな感じの別の1日の朝を描かれ、 
再びジョンの新聞記事の歌に戻り、もう一度せり上がりがあって長いコーダと 
ともに終了を迎えます。この一曲がアルバムの目玉でして、これがなかったら 
名盤にならなかったかもしれないという重要曲であります。 

ビッグダディは最後に一体どういう料理をしてくれるのかと思ったら、 
パティホリーの曲で固めたんですよ。ジョンのパートは“ペギー・スー” 
ポールのパートは“エヴリデイ”。ジョンのパートのつなぎ目に 
“ワーズ・オブ・ラブ”のギターリフ、 
フィナーレでは“ハートビート”のギターリフと4曲も盛り込んでいます。 

歌い方もバディー・ホリー風のヒーカップ唱法。 
Oh, Boyの歌詞の部分も「オホッボーイ!」としゃくって見せます。 

印象としては、これまでのパロディのようなハチャメチャな面白さもなく 
同じような感じで終わるのかなってかんじでした。 

ところがビートルズでいう、あのとてつもないせり上がりの部分で、 
左から右へと飛行機が通り過ぎます。それも拍子抜けのような感じですが、 
オールディーズファンなら次の瞬間に結末が予感出来てドキッとするんです。 
それは襟を正してスピーカーに向かいたくなるような、ロックンロールの歴史の
重要なア・デイ・イン・ザ・ライフの事が描かれていたからです。

その予感の通り、2度目のせり上がりでは、飛行機が墜落音と、最後のコーダは 
地面に叩きつけられる爆音の長い余韻。それに覆いかぶさるように、 
1959年2月3日に起こった、飛行機の墜落事故と、バディー・ホリー、 
リッチー・バレンス、ビッグ・ボッパーの3人の被害者の名前を伝える 
ニュースが流れます。 

それはロックンローラーにとって忘れる事の出来ない1日の歌であります。 
ビートルズ盤では犬にしかわからない音が入っているそうですが、 
ビッグダディーはロックンロールを愛する者しか涙できないように 
しかけられていたんですよ。今までの悪行をすべて帳消しにしてもいい! 

では、最後はその“ア・デイ・イン・ザ・ライフ”でお別れです。 

Big Daddy “A Day In The Life” 



…けど、最後下品な事言って台無しにしてくれてます。