1週間ほど前に「売上を上げる作業」って記事を書いたんですが、これは自分のところの内部環境の改善が中心の話でした。スポーツ選手で例えるなら記録更新の為に何をどのように鍛えるか、科学的にどんな練習を効果的に行なえばいいのか、と言った話。
今日は、外部環境要因である市場(マーケット)に対して重要な、「底辺を広げる作業」って話です。
例えば、今ちょうどバンクーバーオリンピックが開催中です。今現在の日本のメダルは銀×1個、銅×2個です。昔からもともと冬のスポーツ競技自体が盛んではない日本ですが、1998年長野オリンピック開催をきっかけに人気も出てきました。(サッカーなんかも2002年W杯日韓大会が開催され、さそれがきっかけとなって、さらに人気が上がりましたよね。)
で、そこに市場(競技人口/観戦人口)が形成される訳ですが、例えばスキーのモーグルという競技。日本女子初の金メダリストとなった里谷多英や上村愛子が有名ですが、このモーグルの日本の競技人口は現在300人なんだそうです。
→■競技人口は300人、拡大が課題
今回、上村愛子は4位入賞でした。これは、世界トップレベルと比べ優秀なコーチ陣の育成環境があったか、練習環境は万全に整っていたか、協会は効果的な強化支援を行なったか等を考えると、大半は個人の努力で世界4位を勝ち取ったとも言えるんじゃないかと思います。(そう考えると上村選手はスゴイ。)
さて、ここでは選手側主観ではなく、全日本スキー協会の会長、もしくはモーグル強化委員長が自分であったとするならば、自分ならばどんなマネジメントをしていくべきか?を考えたとき、市場(競技人口)の底辺を広げる作業が重要になってくる訳です。
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もしも自分がモーグル強化委員長になったなら。(あくまでも、妄想話です。)
まずは具体的に目標を立てます。
◆4年後のソチ五輪で金メダルを目指す!
・・・その為に、現在300人の競技人口を600人に増やす!(=底辺を広げる!)
<日本のモーグル競技人口>
2010年 300人 バンクーバーオリンピック(カナダ)
2011年 350人
2012年 400人
2013年 500人
2014年 600人 ソチオリンピック(ロシア)
1年に50人~100人増やし続け、4年後のソチ五輪では2倍の競技人口600人に増やす目標を立てたとします。
・その実現の為には何をやらなければいけないか?
・お金はいくらかかるのか?
・その財源をどうやって集めるのか?
現実的に実現可能で効果的なプラン(計画)を立てて行きます。ではなぜ、300人を600人にするのか?しないと強くなれないのか?しなくても強くなれるのではないか?もうここは単純に”確率”や”掛け算”の世界でしょうね。より多くの競技人口がある方が、小さな市場より大きな市場の方がお金の動きも大きくなり、何をするにしても有利になります。100人選手がいたら世界と勝負が出来る優れた才能を持った選手は1人(=1%)だったとします。
100人で1人。300人では3人。→600人いれば、6人いる!
そしてレベルの高いところでお互いにライバル同士が切磋琢磨すると更に好結果を生み出す環境になります。例えば、上村選手とまったく同じ実力を持った選手が日本にもう1人いれば、国内大会等で常にギリギリのところを競い合うことが出来、上村選手自身の更なるモチベーションアップ効果が期待出来たであろうと思います。
こうやって、底辺を広げる作業で市場を大きくして行く。それが更なる好結果を生み出す土壌作りになります。ビジネスではマーケットを大きくすることで売上を上げることが出来るのですが、それが底辺を広げる作業と言われています。
「何もしてないけどなんだか最近売上が好調です」って場合は、同業他社が閉店(倒産)したか、市場自体が大きくなってるかのどっちかです。
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弊社が事業展開するイヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」では、この底辺を広げる作業として、約500種類のイヤホン・ヘッドホンを誰でも気軽に、しかもお持ちのプレイヤーに繋げて自由に試聴が出来る環境をリアルショップで提供しています。2,000~3,000円くらいの低単価なイヤホン・ヘッドホンでも「音が変わる!」「簡単に音質アップする!」「試しにこっちも聴き比べてみよう!」と、イヤホン・ヘッドホンで音質アップを楽しむキッカケ作りに注力しています。
底辺が広がり、マーケットが活性化し成長すると、最先端技術の高性能なイヤホン・ヘッドホンが今以上に開発され、需要が上がることでリーズナブルで適正な価格で提供される(市場の原理原則)ことになり、更なる市場の発展へと繋がって行くわけですね。
うーーーん。
底辺を広げる作業は、一見地味だけど、実はめっちゃ大事なんですね。
そういえば、Jリーグも底辺を広げる活動を地道にやってます。
■Jリーグ百年構想
これに関しては日本サッカー協会はえらいと思います。引き続きがんばってください。