Bon Vin Club 102th | レストランおいしんぼ  Petit Bon

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ワイン、食、秋田の日々を綴っています。

2017年2月8日(水)、Bon Vin Clubの102回目となる例会が開催されました。

テーマ:オーストラリア

・・・・・・・・・・Wine Lists・・・・・・・・・・

①Taltarni "T" Series Sparkling

②Long Paddock Pinot Grigio 2014

③Domaine Chandon Pinot Noir 2013

④Torbreck The "Steading" 2001

⑤Clarendon Hills Hickinbotham Vineyard Cabernet Sauvignon 2005

 

①タルターニ・ヴィンヤーズは、1969年に設立されたヴィクトリア州最初のワイナリーです。シャンパーニュと同様で瓶内二次発酵方式にて70%は現行ヴィンテージ、残りの30%はテンレスの貯蔵タンクまたはフレンチオークの古樽で熟成されたリザーブワインをブレンドして造られます。

透明感のあるゴールド色で泡はきめ細かく、熟したリンゴ、アプリコット、ハチミツ、白い花のようなアロマが感じられ、シトラス、メロン、そして熟したストロベリーのような明るい果実味が印象的でした。口当たりもクリーミーで、余韻も長く感じられました。

参加者様は、「オーストラリアにもシャンパーニュに引けを取らない、こんな泡があるんだ。」と感心のご様子でした。

 

②オーストラリアながら、イタリアの白ワイン用品種のピノ・グリージョ。それには理由があります。この地域では元々イタリアからの移民が多く、ピノ・グリージョ、サンジョヴェーゼなどのイタリア品種が多く栽培されており、レッド・バンクはイタリア品種の特徴を活かしたフレッシュでエレガントな味わいのワイン造りを行っています。
レッド・バンクのワインメーカーのヒューツェン・ローダー女史は、2001年「100人の有望な若いオーストラリア人」に選出された、注目の人物です。
高標高で涼しい夏がピノ・グリージョのアロマティックな風味を最大限に引き出しており、熟した洋梨やピーチを思わせるフレーバー、たっぷりとした果実の味わいを感じることができました。同時にグレープフルーツのようなキレのよい酸も持ち合わせており、バランスの取れた絶妙な味わいと表現したいくらいでした。

 

③ドン・ペリニョンを生産するモエ・エ・シャンドン社により、1986年にオーストラリア南東部に位置するヴィクトリア州・ヤラ・ヴァレーに設立された「ドメーヌ・シャンドン」

南極海から吹く風の影響で、一年を通して冷涼な気候が続くこの土地は、シャルドネやピノ・ノワールの栽培に最適で、まさにオーストラリアのブルゴーニュと例えたい、理想のテロワールです。

冷涼な気候のピノ・ノワール特有の、ブラックベリー系の果実味、バニラやスパイスのようなニュアンスも感じられました。

果実味、酸、タンニンのバランスが良く、エレガントな印象を受けました。

 

④オーナーであるデイヴィット・パウエル氏がローヌの影響を受け、ローヌ系の品種で1994年から上質なワイン造り続けてきました。

今やトルブレックは、オーストラリアにおけるローヌスタイルの最高峰のワイナリーと称賛されています。

ザ・ステディングは、フレンチ・オークとアメリカン・オークの300リットルの古樽で18ヶ月熟成させます。
 ローヌ系品種特有のシナモン、胡椒、湿った土、ドライハーブ、スパイス等の非常に複雑なニュアンスが感じられました。
完熟した赤~黒系の果実味、熟成を経て溶け込んだタンニンは非常にソフトで「美味しい!」という声があちらこちらから聞こえてきました。まさに
お手本としたローヌと肩を並べられる、素晴らしい1本でした。

 

⑤クラレンドン・ヒルズは、1989年にオーナー兼ワインメーカーのローマン・ブラタシックによってアデレードの南から約40Kmの位置に設立されました。
これまでの受賞歴は華々しく、2003年8月にはロバート・パーカー(ワイン・アドヴォケイト誌)はクラレンドン・ヒルズをオーストラリア、また世界で最も素晴らしいワイナリーとして名を挙げています。2008年にはワイン・スペクテーター誌の選ぶ25のオーストラリアワイナリーにも名を連ねました。
1960年に植えられたカべルネ・ソーヴィニヨンを開放式ステンレスタンクにて発酵後、フレンチオークの新樽にて18ヶ月熟成させます。外観はグラスをコーティングするかのような暗い、黒に近い紫色で「黒ワイン」と呼ばれるフランス・カオールのマルベックのようでした。

新樽、スモーク、エスプレッソのロースト、チョコレート、ブラックベリー、黒スグリ、ボルドーのカベルネとは異なる獣臭が印象的で、濃く凝縮された果実味は非常に深みがあり、タンニンは力強く、骨格はがっしりとしていました。

ポイヤックの格付けシャトーにも引けを取らない造りで、最低でももう10年以上の熟成のにも耐えうるであろう、ポテンシャルが感じられました。

なんとこちらの2005ヴィンテージは、パーカーポイント97点を獲得しています。