Bon Vin Club 99th | レストランおいしんぼ  Petit Bon

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秋田市八橋本町 けやき通り の
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ワイン、食、秋田の日々を綴っています。

2016年11月9日(水) Bon Vin Clubの第99回となる例会が開催されました。

テーマ:イタリア~テヌータ・ディ・トリノーロ

・・・・・・・・・・・・・・・・・Wine Lists・・・・・・・・・・・・・・・・

①Montebello Spumante Etichetta"ORO" Brut

②Casal di Serra Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore 2014

③Ciro Rosso Classico Librandi 2014

④Le Cupole di Trinoro 2000(Magnum)

⑤Tenuta di Trinoro 1999

 

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①ジョルジオ・アルマーニが、東京でファッションショー開催後のセレブパーティーでふるまわれる銘柄です。メトド・クラシコ(シャンパーニュと同様に瓶内二次発酵方式)で造られる上級スプマンテに使用されているリザーブワインを約5%程使用しています。イタリア固有の品種で造られるスプマンテです。
外観は淡い黄金色、泡は繊細でやわらかく、青いリンゴ、バナナ、トーストされたヘーゼルナッツの香りが感じられ、温度の上昇とともに複雑味が感じられました。

 

②イタリア中部の東海岸、美しい自然に恵まれたマルケ州を代表する名門ワイナリー「1955年創業のウマニ・ロンキ」によるイタリア固有品種のヴェルデッキオです。
収量を落とし、ぶどうを遅摘みし、シュール・リー(あえて澱引きをせず、ワインに豊かなボディを与える)を行う等、非常にこだわりが感じられます。

柑橘系のフレッシュなフルーツ~アーモンドを感じさせるブーケ、徐々にまろやかさ、ふくよかさが出てきていました。

 

③こちらもイタリアの土着品種であり「ガリオッポ」です。イタリアで最も古いブドウ品種のひとつであり、ギリシャ語で"美しい足"という意味で、ぶどうの茎部が美しい事からつけられたと言う説があります。

グラスに注ぐと、ピノ・ノワールのような透明感のある赤色でサクランボやベリー、プルーン系の豊かな香りが立ちました。味わいもブラインドでしたらピノ?と思わせるものでした。果実味と酸のバランスが良い、エレガントな1本でした。前菜~メインディッシュまでマリアージュさせることが出来そうな1本かと思いました。

 

「テヌータ・ディ・トリノーロ」

"オーナーのアンドレア・フランケッティ氏がローマでの都会生活を捨て、91年からトスカーナの誰も目もくれなかった荒地"サルテアーノ"に移り住み「テヌータ・ディ・トリノーロ」立ち上げました。
ボルドーのシュヴァル・ブランやヴァランドローといった名立たる生産者の友人から学び、栽培ではフランスの経験豊かな専門チームを呼び寄せたり、出来るだけ小さい房、実をつけさせるため植密度を上げるなど改革を進めました。そうして生まれたワインは、学んだボルドーのトップ・シャトーにも負けない品質にまで高められました。
自然と一体となった生活を営みつつ、独自のワインの世界観を持つ彼は、イタリアワイン界を代表する存在であり「スーパー・トスカーナ」の仲間入りを果たしました。

 

④フラッグシップであるテヌータ・ディ・トリノーロのセカンドに位置付けられていますが、ボルドーの著名シャトーとは事情が違い、テヌータ・ディ・トリノーロがリリースされるまではこちらがファーストでした。、テヌータ・ディ・トリノーロがリリースされ、一旦姿を消しましたが復活したため、現在のポジションにあります。

シナモンやミント、バニラの風味があり、完熟したフルーツ、カシスを煮詰めたような甘味が感じられましたが、酸味が見事にバランスをとっています。ワインにとってタンニン・果実味・酸はどれも欠かせない要素です。

前年ヴィンテージよりカベルネ・フランの比率を大幅に高めた(38%から78%に変更)らしく、非常に奥行の深い味わいでした。

 

⑤オーナーのフランケッティ氏は、土地のバランスが崩れる事を恐れ科学肥料を一切使用せず、また堆肥も強すぎるため殆ど使用しません全ては土地に対してソフトでなければならないという考えからきており、畑の手入れ度合いもイタリアでは最高峰の一つと言われています。
トリノーロの収穫は類をみない程のチェックが行われており、年によっては40回以上に分けて行います。これは区画、もしくは樹1本ずつとってもぶどうの成熟度が異なるため、午前は駄目でも午後は収穫可能ということもあり、毎回の試食をクリアしたぶどうのみが収穫されます。

17年の熟成を経た現在も外観は濃い紫色で、黒いベリー、黒胡椒、なめし革、腐葉土のような、一言では例えられない程の非常に複雑なアロマを感じました。凝縮された溢れんばかりの果実味、非常にしっかりとした骨格・タンニンは"重厚"であり、まさにイタリアのシュヴァル・ブラン、ヴァランドローと表現したい1本でした。