コケるわけにいかないがゆえの優等生ドラマ…「A LIFE」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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SMAP解散直後の木村拓哉主演ドラマ。ジャニーズ事務所としては、何がなんでも視聴率を取らせなければならない…絶対コケるわけにはいかないドラマなんです。

 

 

 

 

その重圧の中、TBSはこれでもかと言わんばかりのスタッフを集め、キャストを集め、視聴率的に手堅い医療ドラマに恋愛要素までからめて、作りあげたわけです。

 

 

 

 

…で、フタをあけてみたらどんな作品になっていたかというと…

 

 

 

 

 

TBS 日曜21時

「A LIFE~愛しき人~」 第1話

 

主演…木村拓哉

脚本…橋部敦子

演出…平川雄一朗

 

 

 

 

なるほど、こうなっちゃうんだな~というのが素直な私めの感想です。

 

 

 

 

視聴率を取らなければ!という大命題の前に、みんな萎縮してしまっている感じ。

 

 

 

 

 

主演の木村拓哉は医師の役を殊勝に演じていて、「キムタク」らしさは極力薄められており、

 

 

 

 

脚本の橋部敦子はホントにこのテーマを書きたかったのか?と疑問になるほど、どこかで見たような感じの人物設定で、豪華キャストそれぞれに見せ場を作り、そのへんの大人の事情に対しては絶妙なバランス感覚ながら、特に面白みもない脚本。

 

 

 

 

こちらも橋部らしさは感じられない実に無難な脚本なのです。

 

 

 

 

そして、驚くべきは演出の平川雄一朗までもが、音楽をガンガン流してあおりまくるお得意の演出はなりを潜めて、至って優等生的な演出に終始しているのです。

 

 

 

 

う~~ん、これは実にもったいない話です。

 

 

 

 

私めはこれまでにも何度かこのブログで書いていますが、「木村拓哉という人は何を演じてもキムタクだ」という批判をよく浴びがちですが、

 

 

 

 

それはお門違いな批判だと私めは思っているわけです。

高倉健さんは何を演じても「健さん」だったし、石原裕次郎は何を演じても「裕次郎」だったように、

 

 

 

 

限られたスター役者にはそれが許されるわけです。それがスターというものですからね。

渥美清はいつまでも「寅さん」のイメージを崩せなかったのもその最たる例なんです。

 

 

 

 

 

なので、これまで木村拓哉が演じてきたのは、「キムタクが演じる検事」であり、「キムタクが演じる美容師」であり、「キムタクが演じるパイロット」だったりしてきたわけです。

 

 

 

 

木村拓哉という個性に役の方を引き寄せる…それでこそその役者が輝くというタイプの役者だということです。

 

 

 

 

同じSMAPの草なぎ剛が役によって、その役の人物になりきってしまうのとは好対照なんですね。

 

 

 

 

 

今回は木村拓哉が初めての医師役を演じるんですから、なるほどキムタクが医師を演じると、こうなるんだ!ってところを私めは見たかったのに…

 

 

 

 

アメリカですごい人数のオペをした医師の割には、顔が日に焼けててやけに健康的だなって違和感と、寿司屋での父親(田中泯)との会話くらいしか「キムタク」らしさは感じられませんでした。

 

 

 

 

それが残念です。まだこの先わかりませんけどね。

 

 

 

 

 

そんな木村拓哉の窮屈さに比べて、複雑な感情を秘めた副院長役の浅野忠信とかは、いたってのびのびと難しい役を演じてます。

 

 

 

 

おそらくこの先、主人公の影響を受けて変わっていくだろう若手医師役の松山ケンイチとかもいいんですよね。それなりにちゃんとした演技をしています。

 

 

 

 

ところが一人困った人がいて、ヒロイン役の竹内結子が一人大げさ演技をして浮いています。どうしちゃったんだろう?竹内結子。

久々のキムタクドラマのヒロイン役ってことで張り切りすぎ?

 

 

 

 

今回の評価は一応…4

ちゃんとはしてますからね。