自然と惹かれるもの | 漆工房 牧門堂のブログ


最近はまたまた部屋の大掃除をしています。まだ使えそうな鞄とかコートとか、取っておいたのですが、思い切って殆ど使わなくなった物など、バンバン捨てたり本の整理もしています。
そしたら、また面白い物が出て来ました。昔弘前でお世話になった社長がいつも私の顔の似顔絵を描いてくれていて、面白かったのでいくつか取っておきました。社長は未だに何か送ってくれる時は落書きと一緒に送ってくれます。



そして、故須藤先生が書かれた論文や元弘前大学の佐藤先生が書かれた津軽塗りの資料も一緒に出て来ました。昔は読み過ごしていましたが、20年もの時が経って改めて読んでみると、自然と自分がどうしてこれに縁が出来るのだろう、惹かれるのだろうと、納得します。

須藤先生と佐藤先生の資料によると、私の先祖に縁のある四代目の津軽信政公が弘前の産業、漆行を若狭から招聘したことから津軽塗りの歴史が始まり、それは元々は刀の拵えや甲冑や補修の為の塗りでした。
余りこの事に関して弘前にいた時には頭に入っておらず、修行が終わって東京に戻ると自然と刀関係との縁が出来てしまい、今では鞘塗りの仕事も多くなってるのが不思議でもあり、自然の成り行きなのかもしれません。


この頃からミミズ掘って、釣りしてました。 #鮒釣り#延べ竿#じいちゃん#夏休み#埼玉

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そして、去年から縁があって釣具の仕事をしたり、そこから子供頃以来の釣りをし始めました。写真は子供の頃に釣りをしている写真です。夏休みになると祖父と一緒に鮒釣りをしていました。
 
釣具は漆との縁も深く、日本の釣り文化や和竿、そして昔の釣具の緻密さ芸術性にすっかり魅了されてしまいました。



現在福岡市博物館で釣道楽の世界と言う特別展をやっていて、本当は福岡まで見に行きたいのですが、流石に行けないので、図録を取り寄せました。

様々な道具の写真や浮世絵など、江戸時代の人々と釣りがいかに身近な娯楽であるか、見ていてもワクワクしました。
 私は釣りは庶民の娯楽なのかと思っていたら、元々は武士の間で始まった娯楽で、それと同時に精神と肉体の鍛練の手段とされていたそうです。また、刀の鐔であったり拵えも釣りのモチーフの物も多くて、釣り好きな武士も沢山いたのだろうと想像します。

この絵なんて、沢山お堀に並んで釣りしてて、面白いなぁ。


驚きなのは、日本最古の釣指南書「何羨録」と言う物を津軽采女と言う旗本、その後黒石藩の殿様になった武士が書いたと言います。
兎に角、自然と武士や津軽藩に纏わる物をどんどん引き寄せてしまってるような気がします。先日ブログにも書いた根笹派の尺八もそうでした。
また、私もそれを知る事でこの世にはいないけれどご先祖様の繋がりを感じ、見守ってくれてる様な温かな気持ちになり嬉しくなります。
これからも、また何か新たな発見が出来るのじゃないかと思うと楽しみな毎日です。