短刀拵えの修理 | 漆工房 牧門堂のブログ










凄い短刀拵えの修理をしました。小柄櫃の所の裏瓦の金具は取れてしまったとの事で、接着をして、欠けた所を漆で直しました。

この短刀拵えは大聖寺藩前田家のお殿様の短刀拵えだそうで、重要刀剣なのだそうです。
前にも書いたと思いますが、家の先祖が津軽藩に召し抱えられる前は大聖寺藩前田家に支えていて、去年の秋に初めて大聖寺で前田家のお墓参りをしました。
年明けたらこの拵えが手元に来ました。なんだか不思議な縁ですね。

お殿様の拵えってやっぱり凄いですよね。この梅鉢の家紋の金が見事!そしてその周りの魚魚子打ち(ななこうち)なんて出来る職人はもういませんからね。
呂色仕上げの漆もしっとりと素晴らしいです。金蒔絵ではなくて、さりげなく同じ黒呂色で仕上げてる梅鉢の家紋の漆絵も良いですね。

簡単な修理でしたけど、またお殿様のお役に立てた気がして嬉しかったお仕事でした。