昨日からどこのブログでも本誌について叫ばれてますね。
まあ、あんな予想を見事に裏切るような素敵な展開だったら無理もないかも・・・。
そんな中ようやくUPしたのがこれって、皆さんにツッコまれそうでドキドキです。
もっともこれしか書き上がらなかったのだから、どうしようもないのですけどね。
ちなみにこの話は、以前書いたものの続編になります。
思いっきりパラレルですので、それでも大丈夫という方だけどうぞ。



人生最大のピンチ?それとも・・・



皆様、ご無沙汰しておりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私最上キョーコはといいますと、異世界に訪れてから早くも半年の月日が過ぎ去ってしまいました。
なのにいまだ日本に帰る手立てが見つかっておらず、ここ最近では意気消沈してるといった有り様です。
まあ、それも無理がないことはお分かりいただけますよね。
だって来れたからには帰れるのが普通なのに、その手掛かりすら見つけられてないんですから。
これでは、いかに根性論者で前向き思考な私でも落ち込んで当然なはず。
とはいっても異世界に来たこと自体が常識とかけ離れてるんだから、こういう時こそ落ち着いて冷静に対処するべきなんですよね。
・・・そう、まずは落ち着いて冷静に・・・って、とてもじゃないけど無理っ!
だって冷静になんて悠長なことをしてたら、後戻り不可能な事態になりかねない・・・というか、絶対になるんですもの。
今まででもピンチの連続だったっていうのに、現在はそれをさらに上回る緊急事態に陥ってるんですよ?!
これは本当にシャレになりませんって。
あああ、帰る方法はまだ分からないけど、とりあえずは身を隠さなきゃ・・・。
なんて思っていたら。

「おや、どこに行こうとしてるのかな?」

という、耳にしただけで女性が腰砕けになりそうな美声がすぐ近くから聞こえてきて、別の意味で腰が抜けそうになっちゃいました。
ひ、ひぃぃぃぃ・・・。見つかっちゃった~~~っっ!
って、な、何で騎士様がここに?!
貴方先程見回りの仕事に出かけられたばかりじゃ・・・?

「うん、そうだったんだけどね。
実は合流してすぐにもうじき結婚することをからかわれて、つい婚約者である君がマリッジブルーになってると話したらその場にいた皆に追い返されたんだよ。
そういうことなら結婚して君の状態が安定するまでついててやれって。」

あれ、私はまだ声に出してないはずなんですけど。
それなのに素晴らしい笑顔でのわざとらしい回答、ありがとうございます。
というか、これってあれじゃないですか。
逃げようはないからいい加減観念しろという、私にとっては死刑宣告にも等しい報告ですよね。
ふ・・・ふふふ・・・、冗談じゃありませんよ。
こんなことで私が諦めると思ったら、大間違いなんですからっ。
そうよ、いくら大人しくしててやっと廻ってきたチャンスを潰されたからって、すんなりと諦められるわけないことくらい分かるでしょうが。
何てったって、私はこの世界に留まる気なんてないんですからね。
たとえ四六時中張り付かれたとしても隙をついて逃げ出してみせるわ。

「で?俺はまだ行き先を聞いてないんだけど?
君はどこに向かってたのかな、キョーコちゃん?」

へ?まだそのことを聞くんですか?どうせ最初から気付いてたんでしょうし、見つかるなんて夢にも思ってなかった私の態度でもバレバレでしょうに・・・。
それなのにまだ追及するなんて、どこまで意地が悪いんですか貴方は。
あ、でももしかしたら本当に気付いてないかもしれないので、一応言い訳しておくべきかしら・・・それはもちろん散歩ですよ散歩。
だって、ずっと家の中にいるので運動不足になりそうですからね。
うん、我ながらベタだとは思うけど別におかしくはないはず・・・だったんだけど。
それを聞いた目の前のお方は、神々しい笑顔でとんでもないことをのたまってくださいましたよ。

「へぇ、運動不足解消のための散歩ね・・・。
そんなに体が鈍ってるのなら早く言ってほしかったな・・・そうすれば俺としても手加減せず夜の営みに励めたんだからさ。」

えっと・・・あまりツッコミたくはないものの、仕方ないので言いますけど。
何でそっち方面の話になるんでしょうか?
私が言った運動不足とソレは関係ないことくらいお分かりですよね。
というか、あれのどこが手加減していると?
毎回嫌がるこちらの言い分無視でアスリート選手みたいに体力の限界に挑戦させておいて・・・今以上に貪られたら確実に昇天してこの世とさよならですから。
私はまだ死にたくはありません。
・・・って、ちょっと、言ってる傍から何妖しい雰囲気を醸し出しながら私を担ぎ上げるんです?
今はまだ昼間ですけど?!

「ん?当分休みだし全然問題ないよね?
それにほら、もういつ身籠ってもおかしくはないんだから、2人の運動不足解消のためにも思う存分愛し合おうよ。」

・・・こうなっては無駄だと分かっているものの、あえて言わせてください。
騎士様、人の話はきちんと聞きましょうよ・・・。
そして人をこんな目に遭わせてくれてる神様にも一言物申します。
もしこのまま戻れず一生を終えることになったら、どう責任とってくれるんですかと・・・。

そんな風にずっと足掻いていた私ですが、年老いて天に召される時戻れなかったが悪くはない一生だったと傍で必死に手を握る夫に初めて告げたことや、それなりに神様にも感謝の気持ちを持っていたことを最後にお伝えしておきましょう・・・。



めでたしめでたし?



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