書いてるうちに何が書きたかったのか分からない話になってしまいました。
意味不明なのは突っ込まないでやってください。
よくある光景
奏江は久々にラブミー部の部室に訪れていた。
一応ノックをしてからドアを開けると・・・。
部屋の隅っこでぶつぶつと独り言を言っているキョーコと、そんな姿を気にも留めずに台本を読んでいる千織の姿があった。
それを見て額に手をやりため息をついてから、奏江は千織に話しかける。
「またなの、この子は・・・。
今度は一体何があったのよ?」
「それがまた敦賀さんに口説かれたらしいのよ・・・もっとも本人はからかわれただけって思い込んでるけど。」
予想通りの回答に、奏江の眉根に皺がよってしまう。
ずっと自分の想いを認めようとしなかった蓮が、色々と吹っ切れたのか目に見えてアプローチを始めたのはここ最近のことで。
人目も憚らずに砂を吐くような甘い言葉をキョーコに浴びせるものだから・・・。
周囲の女性陣は黄色い悲鳴を上げながら倒れるし、週刊誌には連日スクープとして載り・・・。
結果彼女は今敦賀蓮拒否症に陥ってしまったようだった。
その症状は傍目から見ていると主に・・・姿を見ただけで逃げ出す、何を言われても信じようとしないというこの2点だ。
その態度が更に激しく熱烈に口説かれる原因を作っていることに本人はまだ気付いていない。
傍で見てその度に社と共に砂を吐いている彼女たちは少しげんなりとしていた。
「いい加減この2人纏まってくれないかしら・・・。
聞きたくもないのにあんな甘々セリフ聞かされてるこっちの身にもなってほしいわ・・・。」
「本当よねー。
両思いなのはバレバレなのに・・・何故当事者たちは気付かないのかしら?
京子さんは分かるとしても・・・敦賀さんは気付きそうなのに。」
「・・・それ前に社さんに聞いたことがあるんだけど、敦賀さんって恋愛音痴らしいわよ・・・ああ見えて。」
「へえー・・・意外ね。」
そんなことを話していても気付かずにまだ壁に向き合っているキョーコを見て、彼女たちはため息をつきながら同時に思う。
こうなったら早く2人をくっつけてしまおう・・・自分たちのためにも・・・。
そのためにまずは蓮と会わせて、それからどうやって彼の言葉を信じさせるべきか・・・。
協力者兼アドバイザーとして社を交えての作戦会議が連日行われるようになり。
最初は目を引いていたその光景が、何度も目撃されるうちに珍しくもないものになっていったのであった。
おわり