タイトルでお分かりだと思いますが・・・。

例のストーカー男が今回の主人公です。

彼がどういう結末を辿るかというと・・・おそらく皆さんが予想される通りだと思われます。

こんなオリジナルキャラが出るのは嫌という方は、読まないでくださいね。

それ以外の方はどうぞ。




ストーカーの末路




俺の名は三郎。

最近ドラマでそこそこの役が貰えるようになってきた、今売り出し中の若手俳優だ。

自他共に認める甘いマスクで落ちない女はいないと思っていたのに・・・。

ついこの間どうしても落とせない女に巡り合ってしまった。

そいつの名前は琴南奏江。

なかなかの美人で少し気が強そうなところがモロ好みだから口説いてたんだが・・・。

袖にされた挙句、マネージャーの奴に凍らされそうになった。


そんなひどい目に遭ったからという訳ではないが、俺はそいつを諦めて新たなターゲットを見つけた。

その名は京子。

普段の姿はどこにでもいそうな、あまりパッとしない感じだが。

化粧をすれば俺好みの女になる。

何よりもスレてなくて素直なところがいい。


ああいうコなら言葉一つでイチコロだろうから、すぐに俺の虜にしてみせるぜ!!



「京子ちゃん、この後ヒマ?

よかったら食事にでも行かない?おいしい店知ってるんだけど。」


俺の言葉に彼女は困ったように頭を下げる。


「すみません・・・この後は別の仕事が入っていて、そちらに向かわなきゃいけませんので・・・。」


まあそう言われるのも想定内だから大丈夫だ。


「そっか・・・それじゃ仕方ないね。

だったら、いつがスケジュール空いてる?

もしすぐに分からないんだったら、メアド教えとくから後からそこにメールくれればいいよ。

逆にメアド教えてくれたら、俺からメールしてもいいんだけど。」


畳み掛けるように言うと、オロオロしている様子が見て取れる。

これならあともう一押しだな。

そう思い口を開きかけたら、第三者の声が聞こえてきた。


「お待たせ・・・最上さん。」


誰かと思ったら、それは敦賀蓮だった。

奴は俺の方を向き、笑顔で挨拶してきた。


「三郎さん、お疲れ様です。

彼女はこれから俺と一緒の仕事がありますので、これで失礼させてもらいますね。」


普段温厚と言われている、奴の笑顔の威圧に耐えかねて俺は頷いてしまっていた。

去っていく彼女の後姿を見送りながら、次こそはと決意を新たにしていると・・・。

人間かどうか疑わしいブリザード男が忍び寄ってきて、俺の耳元で一言呟いて行った。


「キョーコちゃんに手を出すと、凍るくらいじゃ済まないよ。

魔王が目覚めるだろうから・・・。」


その言葉で京子のことはすっぱりと諦めることにした。

もうあんな恐怖体験はしたくないからな。

そしてもう一度決意を新たにする。

次こそは・・・魔王も妖怪もついていない、普通の子を見つけるぞって・・・。




おわり




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