ふとスキビを読み返していて、思い付いたネタです。

ローリィなら言い出しそうかなって思いまして。

それではどうぞ。




ローリィの恋愛指南




「「「はあっ?!!」」」


そろそろ冬の寒さも緩和され始めた今日この頃、椹に呼ばれ事務所に来ていたキョーコたちラブミー部員は息もぴったりに絶叫していた。

それをやり過ごしてから、椹はいかにも言いにくそうに言葉を口にする。


「うん、君たちが叫ぶ気持ちはよく分かる。

俺だって同じ心境だからな。

だが、これは社長じきじきの命令だから諦めてくれ。」


その言葉に彼女たちはがっくりと肩を落とした。

一体何の話かというと・・・。

ローリィが恋愛シミュレーションゲームに嵌っているのは今や社内の誰もが知る公然の事実であるが、どうやら最近それに飽きてしまったらしい。

そこでふと思い付いたのが、ゲームじゃなくて現実で恋愛を指南してみるということ。

それにはうってつけの人物もいることだし・・・。

そんな訳でラブミー部員がターゲットに選ばれてしまったのであった。

ラブミー部員1号のキョーコは物凄い形相で固まり、2号の奏江は呆れたという感じで頭を押さえて首を振り、3号の千織はやれやれと長いため息を吐いていた。

そんな3人に、椹はさっさと話を切り上げるべく早口で用件を伝える。


「じゃあ早速今日から始めるそうだから、社長室に向かってくれ。」


重い足を引きずるように社長室に行った3人は、上機嫌のローリィに満面の笑みで迎えられた。


「いやあ、待っていたよ君たち。さあ座ってくれたまえ。早速始めよう。」


こうして指南が始まったのだが・・・。


「例題その1だ。

最近自分とよく目が合う男性がいるとする・・・こういう場合君ならどうする?最上君。」


「えっと・・・私の顔に何か死相でも出てるのか聞きますけど。」


「・・・琴南君は?」


「何か言いたいことがあるんならはっきり言えと言ってやります。」


「・・・・・・天宮君、君は?」


「相手が喧嘩を売ってると解釈して、笑顔で受けてたちますね。」


三者三様の答えにローリィは顔を引き攣らせている。

それじゃ恋愛に発展しないからと注意して他の例題を出してみたが、やはり恋愛には結びつきそうもない答えばかりだった。

段々とローリィの額に青筋が浮かび上がり、ぶちっという音と共にとうとう怒りが爆発した。


「君らはラブミー部に入って何も成長しとらんのか!!!

もういい!上手くいけば卒業させてやろうと考えていたが、それが出来んことがよく分かった!!」


完全にへそを曲げてしまったローリィに社長室を追い出された3人は、ラブミー部の部室に戻っていった。

そこで何がいけなかったのか話し合ってみたが、結局答えは出ずに終わる。

どうやら近い将来に彼女たちが卒業する見込みは、まずなさそうだということが分かっただけであった・・・。




おわり




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