おはようございます。
今回からは、僕が「なぜJARTAというトレーナー養成派遣機関を作ったのか」について何回かに分けてお伝えしたいと思います。


設立の理由は大きく分けて4つあります。





①トレーナーの無償形態のサポートに危機感を感じたから



②真に選手に貢献できるトレーナーが正当に評価される仕組みを作りたかった



③「手段を選ばず」選手に貢献するトレーナーを増やしたかった



④トレーナーという仕事のやりがいと素晴らしさを出来るだけ多くの人に感じてもらいたかった






まず、第一がトレーナーの「無償サポート」に関してです。






「なぜ多くのトレーナー志望者が、スポーツ現場で無償サポートを続けてしまうのか」






1年半ほど前に、JARTAの公式ブログでもよく似た内容を掲載しましたが、今回は改めてここに触れたいと思います。

とても反響の大きかった記事です。

ぜひ読んでみてください。
「ボランティアでのトレーナー活動はやめたほうがいい」

今回の記事も含めて、これらは全てのプロフェッショナルには非常に重要なことですので、共感いただけた折にはシェアなどしていただけますと大変ありがたいです。





スポーツ現場における無償でのサポート活動は、スポーツ現場に出たことのある方でしたら、ほとんどの方が経験されているのではないでしょうか。






結論から言うと、僕はここには大きな問題を感じています。

(もちろん、無償でサポートすることそのものに明確なメリットがある場合は除きます。例えば経歴などですね。)






僕自身、現在に至るまで、甲子園大会メディカルサポート、某高校野球超有名校、オリンピック選手、関西独立リーグなど、ほとんど無償でのサポート活動を何年も続けていました。

それは約9年にも及びました。

この他にも、小中学校や高校、大学の部活動、アマチュアスポーツ選手へのサポートなども含めたら本当に数えきれません。






その間、当然ですが、自分の休日や勤務後の夜間帯を使い、体力を使い、家族と過ごせるはずの時間を使い、しかも移動やその他経費は全て自己負担です。

もちろん、それぞれの現場でやりがいや喜びは大いにありましたが。






でも、心の中にはずっと「これでいいのだろうか」という想いがありました。





理学療法士など、特に国家資格保持者は専門家です。プロフェッショナルです。

それなのに、無償で「トレーナーをさせてもらっている」状況でよいのでしょうか。






そもそも、その業界の発展という観点から考えたときに、社会的な地位を高めることは非常に重要であり、今の社会構造上、その価値の大部分は報酬によって決められます。





これはボランティア活動を軽視するという意味では決してありません。

業界の発展と社会的な地位の向上のためには、「無償サポートが多数という構造」ではまずい、と言っているのです。






なぜなら例えば、「スポーツトレーナーになりたい」という夢を持ったときに、それが無償での活動が常識という業界であれば、目指したくても目指せない、継続したくても継続できないことになり得るからです。





自分が親だったら、我が子が目指す先が経済的な困難が予測される職種だったら止めたくなりますよね。





こういう下部構造を持った業種が発展し続けられるでしょうか。





夢ややりがいだけでやっていけるのは、ある一定期間だけです。

独身の間は継続できても、結婚して子どもができて、、となると最優先されるのは時間および生活の経済性です。






このように、社会構造の中で地位を構築し、発展していくためにはそれがビジネスにならなければそれは成し遂げられないのは明白なことなのです。






僕は、チームにお金がない、という理由で、トレーナーが無償サポートを強いられる、そしてトレーナー側がそれに甘んじているような現状には非常に危機感を覚えています。






トレーナーは専門知識を持っているのですよね?

現場の選手や指導者が持っていない知識や技術を提供できるんですよね?

専門家なんですよね?





なのになぜ無償なのですか?
僕自身も無償サポートをしていた身なので、もちろん事情は多々あるのは理解できますし、気持ちの上では全ての選手に無償でサポートしてあげたいです。




しかし、、僕はトレーナーの方々には決して自分を安売りしてほしくありません。
これは個人的なレベルではなく、業界のために、という意味です。




その場では個人の自由かもしれませんが、それは後進のトレーナーの方々に対して必ず影響を及ぼします。





確かに無償であればサポートに入りやすいでしょう。

でも、そういった行動は、後進の方々に対する、






「今までの人は無償でやってくれてたよ?」






悪気なくこういう言葉を生み出します。

だからといって、個人レベルで有料サポートを申し出ると、ほぼ上手くいきません。





なぜなら、先方は無償でもサポートしてくれる人が他にいることを知っているからです。

有名なチームや選手になればなるほどそうなります。





いくら他のトレーナーさんより自分には実力がある、他とは違うことができる、と思っていても、選手やチームはその違いは実施してみるまではあんまりわからないものです。






そういう構図をたくさん見てきたことから、これは個人レベルでなくて組織として変革の動きを作っていく必要があると考えたのです。






そしてよく考えていただきたいのは、このような観点は、決してトレーナーサイドに対しての話だけではないということです。





チームや選手側にも、無償でサポートを受けるデメリット、そして有料でサポートを受けることには明確なメリットがあるのです。






次回は、
設立理由②
真に選手に貢献できるトレーナーが正当に評価される仕組みを作りたかった


に関連して、このような無償サポートが決して選手のためにはならないということについて触れたいと思います。






JARTAオフィシャルサイト
http://jarta.jp



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JARTA

中野 崇