長野市のエムウェーブで28日に行われたスピードスケートのバンクーバー五輪代表選考会で、岡崎朋美選手(富士急)が女子五百メートルの2位となり冬季五輪の日本女子では最多となる5回目、5大会連続の五輪出場を勝ち取った。

 今シーズンの開幕戦、10月の全日本距離別選手権では五百メートルで2位になるなど、出足は好調だった岡崎選手。ところが11月中旬、遠征先のカナダで体調を崩し、39度台の高熱を発した。「発熱は予想外。初めて年齢を感じました」と岡崎選手。

 心の支えとなったのは、07年11月に結婚した夫の安武宏倫(ひろのり)さん(41)だった。宏倫さんは、東京都内の石油関連企業に勤務する会社員。国内大会には必ず応援に駆けつけるが、海外遠征の時はパソコンのメールが夫婦のコミュニケーションの中心となる。だが発熱した時は「さすがに毎日のように電話していた。『汗をいっぱいかいて』とか子どもみたいな言葉でしか励ませなかったけど」と宏倫さんは振り返る。

 代表になるには、代表選考会が最後のチャンス。選考会開幕前日の27日、宏倫さんは岡崎選手が「早く終わってほしい」と漏らすのを耳にした。普段はどんな苦しい練習にも弱音は吐かない岡崎選手の弱気な言葉に、プレッシャーの重さを感じた。28日、宏倫さんは「験を担いで」10月の全日本距離別と同じスーツで選考会を観戦した。その思いが通じたか、岡崎選手は重圧を乗り越え、代表の座をつかんだ。

 岡崎選手は言う。「(結婚で)心にスケートとは別の部分ができた。とてもいい精神状態」。そして「主婦業は全くできていないだけに、感謝の気持ちでいっぱい。恩返しは五輪でしたい」。98年長野五輪の五百メートルで銅メダルを獲得して以来、ファンを魅了し続けてきた「朋美スマイル」がはじけた。【飯山太郎】

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