お休みをもらった金曜日
多紀郡篠山と氷上郡柏原を結ぶ難所、鐘ヶ坂を探索してきた
もともと両郡を結ぶのは難所、鐘ヶ坂峠だったものを
通行を確保するため、1883年に馬車道だった鐘ヶ坂隧道が開通
自動車時代を迎えた1967年には鐘ヶ坂トンネルが
さらに線形を改良するために2005年、新鐘ヶ坂トンネルが開通した
つまり、鐘ヶ坂は明治、昭和、平成と三世代のトンネルが現存している珍しい場所であり
トンネル開通前の鐘ヶ坂峠を含めると、時代を超えて新旧4世代の道が交差する
道の歴史をそのまま体現するような場所といえる
若い頃柏原で一時期を過ごしていたことがあり
昭和トンネルである鐘ヶ坂トンネルを当たり前のように通行していたが
まさかその上に明治隧道があるなんて想像もしていなかった
いつかは鐘ヶ坂隧道を探索しようと企んでいたが、それがこの日実現することになった
トトロにでも出てきそうなお稲荷さんを発見、いい感じ♪
自転車では初めての黒石ダム、天気がちょっと心配・・・
黒石ダムからもうひと頑張り、
せっかくの大峠展望台も、樹木に遮られて展望なし、碑の文字も隠れて見えない
ここからは山南町方面へダウンヒルするんだけれど、これがなかなかいい道で
できればダウンヒルではなく登ってみたいような峠だなぁと
路面を確認しながら、ライン取りに集中しながら無心にダウンヒルを済ませ
JR福知山線をまたいで西へ
谷川駅前の町並み、右の旅館、泊まってみたくなるよな昭和の香りが漂う
86線を北上、気になるが奥野々坂はパスして素直に奥野々トンネルで柏原へ
柏原は、織田藩の城下町で、
街には往時を偲ばせる太鼓やぐら
八幡神社に
木の根橋
その奥の丹波市役所柏原支所の建築も気になるねぇ
この街に住んでいた頃はその良さがわからなかったけれども
歳を重ねた今は、古き良き城下町の魅力を凝縮したようなこの街が本当に好ましく思える
街を楽しんだ後、いよいよこの日の目的地である鐘ヶ坂へ
今は通る車のなくなった旧176をゆったりと登っていく
この旧道からは、明智光秀が丹波侵攻の際に気づいた金山城跡と奇勝、鬼の架け橋が遠望できる
写真の真ん中やや上、架け橋が見えるかな?
通り抜け出来ない?・・・という割には先を進めますよ♪といってるようにも見えるが
篠山側からトンネルを抜けると、ホワイトアウト直後に急カーブ、やばい線形だった
ここから柏原方面の眺望が開けているが、三世代の道がはっきりとその姿を見せてくれる
中央の一番きれいで偉そうなのが、平成開通の現R176
それによって真っ二つにぶった切られているのが、あわれな旧々道
右の樹木の間に見えているのが旧176、今ヒルクライムしてきた昭和国道である
柵によって閉鎖されたこの道こそが明治隧道につながる道
通せんぼしているようで、やっぱり左端が ”通れるんなら通ってね”
進みます、
このためだけにといってもいい、クリートカバー新調したもんね
明治道であるこの道は、どうやら平成トンネルができたときに整備されたようで
鐘ヶ坂隧道の近代土木遺構としての価値を再評価したものと考える
奥の碑は寄付顕彰板のようで
そのトップに名を連ねているのが織田信親、おそらく柏原藩主その人だったのかな
日本で五番目に作られたトンネルで煉瓦積みとしては我が国最古だそうだ
いざ入洞〜♪
麓の柏原町上小倉に三基の窯がつくられ、鹿児島から呼ばれた職人の焼いた28万枚の煉瓦が使用された
費用の半分は多紀、氷上の両民の寄付とのこと
この時代のトンネルにはよくあることのようで、
当時の人々がいかにトンネル開通を待ちわびたという証だろうな
片道600mの道を担いでBMCを連れてきた甲斐があったよ
一方こちらは平成トンネル
一気に走り抜けて篠山側へ
左の新トンネルから出てきて左の旧酷道を登っていくと
この左から明治隧道につながる道があるはずなんだけれど・・・
少し探してみたが、とりつきの道が夏の藪に埋もれてたようで、断念
随分と予定時間を超えて探索してしまったので先をいそがなきゃ
まっすぐ行くと現国道だが、ここは右斜めの旧篠山街道を走っていく
篠山街道↓
少し進むと、往時には宿駅としてにぎわった追入集落、二十戸ほどの宿があったらしい
道すがら見つけた篠山市立大山幼稚園
いつ頃の建築なんだろう?昭和初期?戦後かな?
篠山街道はR176を並走する自転車には走りやすい道
大山中の常夜灯は1815年建
北野新田の道標、1821年建
”左、京いせ道” ”右 きよ水、大坂道”
いせ、は伊勢であろう、ちょうどお伊勢参りが大流行した時代だろうか
きよ水は、播州清水寺のことを示す
川代ダムを見ながら篠山川を渡り
秋らしい風情を楽しみながら
R176は追い風基調で楽々
交通の要衝として栄えた宿場町、古市の道標・・・あれ?
なんかピカピカなんですけど。
4年前に訪れた時の写真↓
どうやら2013年に自動車が激突して、道標、道路元標ともども木っ端みじんになったらしい
…残念だなぁ
気を取り直して、R176を快調に南下
波田で休憩、この橋ちょっとあれなんですわ
この親柱なんだけど・・・
”むこうがわ”じゃなくて、”むこがわ”じゃないの?って突っ込んでみる
最後の力を振り絞って須磨田を走り抜け
16時過ぎ、青野ダム着
少し遅い夏休み、たっぷりと楽しめた
近代土木遺産って旧道や旧街道と相性がよさそう、次どこ行こうかな?
クリートカバーとともに新調したミラー、さっそくどこかに紛失してしまったことが少し残念
走行距離 88.8㎞(担ぎ込み)
走行時間 4:17:14
平均時速 20.7kph
獲得高度 1012m
消費カロリー 1428kcal
平均気温 20.3℃