料理好きの母の娘に生まれたので、当然自分は寿司くらいつくれる、と思っていた
結婚してはるがうまれて初めてのひな祭りに夫の両親を招待してひな祭りのお祝いをしたときに、当然ちらし寿司を作った
その時はすし桶がなかったので、「混ざり具合がいまいちだった」と正直コメントを後から夫にもらった。まあ確かにね、ということですし桶を買ったら、駐在でアメリカに行くことになった
アメリカ人はすしが好き、よしこれで寿司を作ろう、とはりきって渡米した
最初の冬は誰も友達ができずに家族のみで冬に寿司食べたいなどという人もおらず、すしおけは棚、いえ段ボール箱の奥深くに眠ったままだった
春になってYMCAのベビースイミングで友達ができて、夕飯に招待された。アメリカでは招待されても何か一品持っていく方がよい、と聞いたので「よし、今こそ寿司!」と思ったのだけど、一発勝負でまた失敗したらいやだから日系スーパーでこんなこともあろうか、と買い置きしていた「寿司太郎」で簡易寿司を作った
大うけだった
アメリカの人は甘酸っぱいご飯が好きなのでしょう
こんなに好きならぜひマスターせねば、と思っていたけど、ちょうどそのころ私は土鍋でご飯を炊くのにはまっていて、炊飯器の内がまの「すし」のラインがなかったので、何度炊いてもびちゃっとなってしまう
そこへ夫の両親がアメリカまで遊びに来た
夫の母は料理が好きではない。悪口ではない。事実だ。本人もそういっているし。
その母に寿司飯のことで相談してみた
二人で迷宮に入り込んだような会話が繰り広げられて、結局正しいことはわからないままになってしまった
アメリカに3週間滞在して何ひとつ料理をしなかった夫の母に最後の日は華を持たせよう、と「お母さん、ちらし寿司の作り方教えてください」と頼んでみた
その時うちにあった寿司は純米酢とかではなかったので、結果かなり酸っぱい寿司ができた
夫の母は言った「寿司用のお酢は煮立てないとだめよ」
お母さん、あなたの指示通りに作りましたが、と反論することもなく「そうですね~」と流しておいた
でもこれは酢のクオリティの問題だな、と純米酢を日系スーパーで買えばいいや、と心の中で思っていたことがばれたかのように、両親帰国後に夫の母から手紙がきた
滞在中のお礼とそのあとに「寿司酢を煮立てないとだめな理由」がほかの人の引用を含めて書いてあった
日本とアメリカ、こんなに離れているけど、そんなに距離を感じない、と思った。
もちろん上等の純米酢を煮立てたりしない。私には私のやり方があるのだ
なんて偉そうに言うなら成功してみせようじゃないの、とそれからなんだかやっきになっておいしい寿司飯を研究し始めた
土鍋ご飯はじつにおいしいけど、寿司飯には炊飯器のあっさり炊いた方の方が向くような気がした
もちろん土鍋でもコメと水を同量で炊けばできます。焦げやすいけど
昆布を入れて炊くとちょっと色が茶色くなってしまうので、私は入れません。
寿司酢は
おいしいお酢 半カップ 砂糖大さじ3 塩 大さじ 1弱(五合分)
を鍋で砂糖がとけるまで温めて、炊けたらご飯にそっと上からまわしかけます。 混ぜずに濡れたふきんかふたをして蒸らし、5分くらい経ったらご飯をつぶさないように混ぜます
寿司酢をかけてしばらく混ぜないのは夫の母のやり方でしたが、奥園とし子さんも同じやり方で本を書かれています。
後は具をシャケときゅうりにしたり、ふつうにちらしにしたり、巻いて食べたり。
すし酢は常備しておくと、サラダやピクルスにと役に立ちますよね