『アンダルシアの犬』(西) | 極私的映画と音楽のススメ

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介


なんじゃこりゃ?



初めてこの映画を見たときの感想である。

なぜ、目を切られるのだ、なぜ手首をつつくのだ、なぜ、なぜ???

なにがなんだかよーわからんうちに終わっていた。


これはルイス・ブニュエルのおそらくは一般的に最も有名な映画。

淀川さんの名作100選のDVDにも入ってたし。


基本的に音のない、無声映画だったと記憶している(たしか)。


だけど、個人的には、後ろで流れていると感じる音がある。

それは、何でかはうまくいえないんだけど、フラメンコなのだ。


その昔、虐げられ、アンダルシアの洞窟でひっそりと踊りつづけられ、

伝承されてきた歴史を持つフラメンコ。


その熱い鼓動の背後にある、ほの暗い歴史の重みと、

このシュールレアリストのおりなす、一見意味不明な、ほの暗い映画の印象が

僕の中では見事なまでに融合するのだ。


白黒の映画なんだけど、冒頭の満月だけがなぜか煌々と照っている映像が浮かんで消えない。

きっとそれは、洞窟を照らす一筋の光のイメージなんだろうなあ。


だって、どうしてもこの映画をみると、バックにはフラメンコの音楽が聞こえるんだもの。



※このブログは加筆・修正版です

(スペイン映画をご紹介したく、再録しました。

 投稿:2005/7/5、加筆修正:2006/3/21)