『ポンヌフの恋人』(仏) | 極私的映画と音楽のススメ

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印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介

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冬に楽しみたい映画たち~X'mas、Snowy Movie~

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このDVDのジャケットにあるように、

ラスト近く、この映画の主人公たちは雪が降るしきるパリはポンヌフ(橋)の上で抱き合います。

これまでの過程をみているからこそ、このシーンと、

そしてそれに続くシーンにとてつもない希望を感じてしまうんです。


パリに降る雪。

雪は混沌とした感情を浄化してくれるかのようです。

そして、二人をやさしく包んでいるかのようです。

フランスのアンファン・テリブルといわれた監督の第3作目。


ポンヌフというのは、pont-neufで、古い橋という意味。

なんでもパリで一番古くセーヌ川に架けられた橋なんだそう。




この映画は、冒頭でやられました。

夜のパリを走る車。

助手席からは、パリの町並みがうかがえる。

川の向こうには、オレンジ色の街燈がこころなしか優しげに灯っている。

車は地下道に入る。

無機質な空間。

そして、地上へ。

その瞬間に、チェロの響きが唐突に流れてくる。


この夜の雰囲気と、今後映画がどういう方向に進んでいくのかを暗示するメロディーに

ただただ引き込まれてしまった。

ほとんどの人が気にも留めないシーンなんだろうけど、

個人的には、大好きなのだ。



ラストも大好きで、

雪の降りしきるセーヌ川。

砂利運搬船の舳先で、タイタニックのディカプリオたちのように、抱き合いながら

セーヌ川をくだってゆく。

そこでジュリエット・ビノシュが叫ぶ「目覚めよ、パリ!!」

二人のアカルイミライを喚起させてくれます。

ここで流れる音楽もそれを助長している気がします。

必見です。



なお、ラストシーンってタイタニックが真似したのかしら?(そんなわけないか)

(似てるんですけどね(笑))


※このブログは加筆・修正版です

(ウィンターシーズンに合う内容だったので、再録しました。

 投稿:6/29、加筆修正:11/29)