『BIUTIFUL ビューティフル』
- BIUTIFUL ビューティフル [DVD]/ハビエル・バルデム,マリセル・アルバレス,エドゥアルド・フェルナンデス
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とても不思議な映画だなぁと思った。一見、普通の映画の体裁をしているけれど、映画3本分の内容を詰め込みながら、しれっと1本の映画に納まっている。
監督であるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、このように複数の構成を一つの軸にまとめていく物語を好む。だが、これまでの作品が遠いところで起きた個々の出来事が結びついていくのに対し、今回は一人の男が3つの物語の種をまき、それを収穫して終わるようなシンプルな構成。
でも、その男がまく種が異様な成長を遂げる。親子の話と、移民の話と、ある能力の話。この並べ方だけでも不思議だけどね、どどどどんな展開よぉって、100%予測不可能な方向へもってかれます。イニャリトゥ（←上手く言えない）、コイツには油断できないわ。実にリアルな生活環境がはっきりと差別化され、壁に貼ってある写真とかシールとか見入っちゃったよ。地道に取材したのだろうな。
さて、これだけ風呂敷広げちゃうと、どうやって収集していくのかなと考えてしまうのですが、なんとなく、しゅるしゅるしゅるーっとなるようになり、静かな終息を迎えます。この力量がすごいと思うの。衝撃的な出来事が起こった割には違和感がない結末。すべての生は死に向かって進み、それは避けられない自然なことだから。だろうか。
遠い国の有り得ない物語が、身近に感じた映画だった。
STORY
幼い子供二人を育てるウスバルは非合法な仕事で生計を立てていた。（2010年／メキシコ、スペイン）