『レバノン』
戦車に乗るなんて夢にも思ったことないから、戦車の中は想像すらしたことなかったなぁ。
しかし、“○○受賞”という宣伝文句で映画を選んじゃイカンねと、久々に反省。これはヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した素晴らしい作品であるはずなんだけれど、ピンと来なかったんだ。
1982年に勃発したレバノン戦争の最初の一日を、戦車の中から映し出すという画期的な手法。戦場を確認できるのはスコープだけ。ということは、大事なシーンは全て戦車の前で起こるわけだよ。何か嘘くさいなぁて。主役級はよかったとしても、死体になるような端役の演技がまずかったことも嘘くささに拍車を掛けた。
そもそも映画は作りモノ。それをいかに本当ぽく映すことがキモ。
きっと真実の通りをそのままセリフにしても間が悪いだろう。どんなに格好つけようが、観客の心に届いたものが真実になればいい。それが足りないように感じた。
レバノン戦争といえば、『戦場でワルツを』 が記憶に新しい。あちらはアニメーションなわけで、その時点でゆるぎないフィクションだ。でも、戦場の悲惨さや残酷さ、そして恐怖は、真実のように心に突き刺さった。
違うなと。
STORY
指揮官アシ、砲撃手シムリック、操縦士イーガル、そして補充士ヘルツルの4人は戦車へ乗り込んだ。(2009年/イスラエル、フランス、イギリス)
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