和宮様御留(かずのみやさまおとめ) | AQUAのくらし++ベトナムから日本へ++

和宮様御留(かずのみやさまおとめ)


相変わらず活字中毒本の私です。
本は重いので、ブック○オフで仕入れた文庫本の半分は、船船便で1ヶ月前に発送してありました。
ようやく届いたとの連絡がありましたが、またまたガッポリ税金の連絡がありましたしょぼん
それでもアマ○ゾンよりはずっとお安く送れますから、中毒の私としては、仕方のない選択であります。

最近読んだ本のうち、タイムリーな1冊をご紹介します。

NHK大河ドラマ「篤姫」では、堀北真希さん演じる皇女和宮が、徳川家に降嫁され物語も佳境に入ってまいりました。
和宮といえば、政治の犠牲になった悲劇のヒロインというイメージがありますが、実はたくさんの謎があったりします。
和宮の遺体には左手首より先が無かったという話は有名ですよね。
そのご遺体は1枚の写真を抱いて、長い間眠っていた。
その写真には、愛のない政略結婚相手だと思われていた徳川家茂が映っていた。
(ガラスに写した写真は日の光が当たった瞬間消失してしまい、現在では確認できないのです。)

・・・などなど、歴史好きには心揺さぶられる謎に満ちている和宮様。

本日ご紹介の本「和宮様御留」は、江戸に下った和宮は実は本人ではなかったという「和宮替え玉説」がモチーフになっている小説です。

そんなショッキングなモチーフを扱っているにも関わらず、この小説は、その主題を別にしても楽しめる小説なのです。
ある少女が替え玉となるわけですが、その少女の心の動き、御所での生活、全てがリアリティたっぷりでノンストップで読み終えてしまいました。

御所や公家の生活ぶり、言葉遣いなども、非常に興味深いものでした。

現在の篤姫を見ていると、なんだかとてつもなく昔の歴史の一コマのような気がしてしまいますが、もう間もなく、江戸時代は終わりをつげ、明治時代となるのです。
篤姫も、洋装をして明治時代を生きていきます。
明治って・・・私の世代ですと明治生まれのおじいちゃん、おばあちゃんっていましたもの。
今でも明治生まれのご長寿さんていらっしゃいますものね。
かなりリアルな現代です。

この小説の中では、天皇を中心とする公家方は、貧窮しているにも関わらず、自分たちの世界以外は興味がなく、まだまだ花鳥風月を詠んで暮らしているわけです。
ペリーが来航し、鎖国を解き、国際的になっていこうとしている幕府に対して、朝廷は政治のことはさておき、単に「攘夷(外国排斥)、攘夷」と騒いでいます。
このギャップが、なんとも不思議でした。
だって、この雪月花の公家たちが、間もなく天皇を中心とする明治政府になっていくのですから。
そしてその新政府は今後戦争へと突き進んでいくんですよね。

近代日本って、こんな風にできたの?って歴史の奥深さを実感しました。

私の専門は中古(奈良・平安時代)ですから、この辺のところはちっとも詳しくないばかりか、近現代史はとっても苦手でした。
しかし、昨今の大奥ブームから篤姫ブームで、江戸時代というものが身近になりました。
歴史の授業では、「江戸時代」「近現代」と別々に学び、そこには大きな壁があるようなイメージだったのですが、歴史ってひとつの流れなんですものね。
以前、ご紹介しました本 に出てくる新撰組も、この篤姫の時代ですね。
いろいろな面から歴史を感じられるというのも、読書の醍醐味であります。

ちなみに「御留」というのは、日記のようなものをさすそうです。


※画像お借りしています

本をゆっくり読む余裕がないという方、大河ドラマ「篤姫」はお勧めです。
歴史が苦手な方でも、ホームドラマの延長で楽しめるというのが篤姫のウリ。

ぜひ一度見ていただきたいのがオープニングの映像。
クリムトの絵画と篤姫演じる宮崎あおいさんの映像とのコラボが見事です。
クリムトって、篤姫と同時代、幕末のころに生まれた人らしく、日本の屏風絵などからも影響を受けているのだそうです。
そう言われてみれば、あのクリムトの絢爛豪華でなおかつ、しっとりとした色遣いは、日本的だとも言えます。
日本の着物との相性が素晴らしいわけです。

インテリア・雑貨ランキング参加中。
 
応援クリック↑
どうぞお願いします

不信のとき〈上〉 (新潮文庫)/有吉 佐和子

有吉佐和子さんといえばこちらも有名ですね。
米倉さん主演でドラマ化されたのは記憶に新しいところです。
妻と愛人との二重生活を続ける夫、そのどんでん返しがたまりません。
真相はいかに・・・と思わせてくれる結末です。
ドラマも面白かったですけれど、本もあっという間に読めて楽しかったです。

篤姫の謎大奥魔物語 (ぶんか社文庫 た 4-6)/武山 憲明


「篤姫が100倍おもしろくなる本、天璋院の生涯がこれ1冊で丸わかり。」
100倍おもしろくなるかは疑問ですが(^^ゞ、篤姫の生涯から、大奥のおもしろエピソードなど、ビギナーには楽しめる一冊だと思います。

あおいちゃん演じる可愛い篤姫も、実はとってもがっしりしたふくよかな女性だったようです。