やんちゃな猫のしつけ方 第2話 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります

 

 

 

 

 

 


チチチ・・・


チュンチュン・・・

 

 

 

(ん・・・?)

 

 

(あぁ・・あったかいな~
 久しぶりだなこの感覚・・・)

 

 


その日の朝
俺は久しぶりにとても幸せな気持ちで目が覚めた

久しぶりの休日で時間を気にせずゆっくり眠った所為なのか
それとも冬布団を出して眠った所為なのかは分からない

 

でもいつもと違うジワリと温かな感覚が
今まで冷たく感じているベッドの中に広がっていて
俺はまだウトウトと微睡みながらゴロンと寝がえりを打ったんだ・・

 

 


「う・・ん・・・・」

 

 

ゴロン・・・

 

 

すると伸ばした指先にフワフワとした何かが触れた

 

 

???

 

 

(・・・・・・、ん?
 なんだ・・?これ・・・)

 

 


「・・・???」

 

 


俺はそのフワフワの先を
瞼を閉じたままゆっくりと指先で追いかける

 

するとさっきから感じているジンワリとした温もりは

そこから漂ってきている事に気が付いた

 

 

しかも・・その場所からは俺の大好きな甘い香りもしたんだ・・

 

 

 

(髪・・の毛かな?でもフワフワだな~
 スッゲー気持ちいい・・
 何だか猫でもいるみたいだ・・・)

 


「ふふ・・・」

 

なんて俺はそのフワフワの毛をそっと撫でながら
もう一度夢の世界へ落ちそうになる

 

でもその時ふと思い出したんだ・・

 

 

 

(・・・・・、ん?猫・・?)

 

 


ー !!!? -

 

 

 

「えっ!?」

 

 

ガバッ!!

 

 


俺はその単語が頭に浮かんだ次の瞬間

昨日拾った猫・・
もとい猫の真似をしていた男性の事を思い出した

そしてベッドの中でこんもりとしている場所の布団を剥ぎ取ったんだ

 

 

バサッ!

 

 

 


「な・・・!?

 何してんの?こんな所で・・!?」

 


     「すぅ・・すぅ・・・」

 

 

「ちょ・・ちょっと起きてよ!?
 俺”泊めてあげる”とは確かに言ったけど
 ”ベッドで寝てもいい”とは言ってないよ?」

 


     「う・・・ん・・・・」

 


「ねぇ・・早く起きて!?
 で、熱が下がってるならさっさと出て行ってくれない?
 俺、貴重な睡眠時間を邪魔されたくないんだよ・・」

 


     「・・・・・・・・・・・」

 

俺は自分と同じベッドで眠っているその人に向かって一方的に話しかけた

 

でもその人は一向に起きる気配はなくて
逆に剥ぎ取られた布団を探してベッドの上をまさぐり

再び見つけた温もりをそっと引き寄せた後
丸くなっていた身体を更に丸くしながら
またスヤスヤと寝息を立て始めたんだ

 

    「みっけ・・・」

 

 

「え?あ・・・?あれ?」

 


     「お休み・・。すぅ・・・すぅ・・・」

 

???

「い・・いや・・だから・・?起きてくれない?」

 


     「う・・ん・・・、もうちょっと・・・」

 


「あぁ・・もうちょっとね・・・」

 


     「・・・・・・・・、ん・・・」

 

 

「”ん・・・”。じゃねーから!!
 もう!俺のベッドで寝ないでよ!!
 寝るならソファーで寝てくれない?」

 


     「・・・・。やだ・・・・」

 

「え?」

 

     「だって・・寂しいんだもん・・」

 

 

「はい!?寂しいって・・・」

 

 

     「それに1人は寒いし・・・
      こうして2人でいた方が温かいじゃない?んふっ♡」

 


「んふっ♡・・・・。じゃねーよ!
 確かに温かいけど・・それとこれとは別でしょ?
 俺は今日久しぶりの休みなの!
 1人でゆっくりしたいの!誰にも邪魔されたくないの!」

 


俺は本物の猫のように眠っているその人に向かって
少しきつめの口調でそう言い放った

 

するとその人は閉じていた瞼をそっと開き
ゆっくりと身体をベッドの上に起こすと
大きな欠伸を1つ付きながらこう言ってきたんだ

 


     「ふわぁぁぁ・・・

      邪魔なんてしないよ?だっておいら猫だもん・・」

 

 

「いやいや・・どこからどう見ても貴方は人間の男性ですよ」

 


    「これは仮の姿なの・・本当はおいらは猫なの・・
     だから絶対邪魔しないよ?だってこうして寝てるだけで幸せだから・・」    

 


「え?いや・・でも・・・
 貴方にも家族とか仕事とか・・あるでしょ?
 だってどう見ても俺と同じくらいの歳だと思うし・・」

 

 

    「んふふっ・・。おいらの事が気になるの?」
     

 

「当たり前でしょ?
 だって面倒事に巻き込まれたくないじゃん!
 嫌だよ?警察に追われてるとか・・
 ヤバい人達から逃げてるとか・・なんて」

 


    「ぷっ・・!ぷくくく・・・」

 

!?
「な!・・なんだよ!
 何で笑うんだよ!!」

 


    「だって・・そんな事あり得ないだもん
     おいらは警察にもヤバい人達にも追いかけられていないし
     もし万が一そうだったとしても

     面倒事を新しい飼い主さんに押し付けようなんて

     これっぽっちも思ってないから・・(笑)」

 


???
「新しい・・飼い主?」

 


    「うん♡昨日おいらを拾ってくれたじゃない?
     それっておいらを飼ってくれるって事でしょ?」

 


「え?あ・・いや・・それは・・・」

 

 

    「それにだってほら・・こうしておいらの体調を心配して
     家に泊めてくれたり毛布を貸してくれたり
     おでこに冷えピタを貼ってくれたり・・ね?」


そう言ってその人は凄く嬉しそうな顔をしながら
自分のおでこに貼ってある冷えピタを俺に見せてくれた

 

フニャリと微笑んだ笑顔と赤く濡れた唇が
カーテンの隙間から差し込む日差しを受けてキラキラと輝いている
さっきまで眠っていたからか柔らかそうな頬が薄らとピンク色に染まっていて
人間というよりは本当に猫なんじゃないかと思わせるほど可愛くみえたんだ・・

 


「いや・・だって・・あの時は熱があったから・・・」

 


     「んふっ♡おいらすっごく嬉しかったんだ♪
      だってこんな風に他人から優しくしてもらったのって久しぶりだったし
      ましてや段ボールに捨てられていたおいらを助け
      更に自分の家に泊めてくれた人なんて初めてだったから・・・」

 


「だ、だって・・あのまま放っといて何かあったら嫌じゃない
 事件に巻き込まれたり、最悪あのまま死んじゃったりしたら俺一生後悔するもん」

 


      「・・・・・・・・・・・・」

 


「だったら1日くらい泊めてあげてもいいかな・・って思っただけで・・
 だからと言ってそれが貴方を飼う事になるとは・・その・・」

 

      
      「・・・・・・・・・・・」

 

 

「それに・・貴方は人間だし・・
 ましてや猫じゃないし・・」

 

      「・・・・・・・・・・」


目の前にいるその人はうるうるとした瞳で自分の話をジッと聞いている
俺は真っ直ぐに俺の瞳を覗き込んでいるその瞳に吸い込まれそうになりながらも
昨夜の事を一生懸命説明し続けた・・

 

すると突然その人が俺に頭をそっと差し出して甘えてきたんだ
まるで猫が身体をすり寄せて甘えてくるように・・・

 


     「にゃ~ん♪」

 


「へえっ!?」

 


     「あたま・・撫でて?」

 

 

「な・・なんで?」


     「だってさっき撫でてくれたでしょ?
      すっごく気持ち良かったんだもん・・・
      君も・・おいらのあたま撫でて気持ち良かったでしょ?」

 


「え?あ・・あぁ確かに・・・
 だって貴方の髪フワフワだったから・・
 しかも温かかったし・・俺の好きな甘い香りもしたし・・」

 


     「んふふっ♪だから撫でて?
      ずっと・・好きなだけ撫でててもいいよ?」

 


「・・・・・・・ごくっ」

 

     「ねぇ、ここって1人で住んでるの?

      凄く広いお家なんだね・・・」

 

 

「え?あぁ・・・」

 

 

     「恋人は?いないの?」

 

 

「いない・・って言うかいらない・・」

 

 

     「ふ~ん・・・どうして?」

 

 

「めんどくさいし・・」

 

     「・・・・・・・。じゃぁおいらをここに置いてよ?」

 

 

「へっ!?」

 

     「毎日お弁当だけじゃ体に良くないよ?

      おいらがご飯作ってあげる!」

 

 

「え?あ・・ちょ、ちょっと・・?」

 

 

     「それに掃除や洗濯ちゃんとするよ?
      一緒に居たらおいらの頭触り放題だよ?
      それにおいら自分の事は自分でするから・・
      ベッドで寝ちゃダメならソファーで良いから・・ね?お願いします!」

 

 

そう言うとその人は俺に向かってぺこりと頭を下げた

ま・・ベッドの上でだけど・・・

 

 

でも・・確かに毎日スーパーの弁当だけじゃ体に良くない事は分かってたし

この部屋も男1人で暮らすにはちょっと広い間取りだから

もうひとり住人が増えた所で何も困ることはない・・

 

しかも遊びに来るような彼女も居ないし・・

掃除洗濯してくれると助かるし・・・

 

「・・・・・・・・」

 

なんて事を考えていたら

チラリと上目遣いで俺の方を見たその人と目があって

潤んだ瞳と困ったようなたれ眉が見えた・・

 

俺はその瞬間何故かドキッと胸が鳴って

気が付けばオッケーの返事を出していたんだ・・

 


「・・・・・う、うん・・・。
 まぁそれならいっか・・・」

 

     !?
     「ほんと!?嬉しいッ♪」

 

彼は俺からの返事を聞いた瞬間にパァッと頬を高揚させ

本当に嬉しそうに顔を綻ばせると

とても綺麗な笑顔を見せてくれたんだ

 

俺はその笑顔を見て自分も思わず笑ってしまいそうになる

だってその笑顔はまるで天から幸せを運んでくれる天使のようで

その人の周りがキラキラと輝いているように見えたから・・・

 

 

「・・・・・・・・。しかたねーな・・(笑)
 まぁどうせ俺しかいないし

 ルームシェアしてると思えばいいか・・」

 

 

     「ありがとう!これからよろしくお願いします!」

 


「はい・・分かりました(苦笑)。
 あ・・そうだ名前なんて言うの?
 俺は櫻井翔って言うんだけど・・・」

 


    「ん?おいらの名前?」

 

 

「うん、教えてよ

 だってこれから一緒に住むんでしょ?」

 

 

    「・・・・・・・。ごめん忘れちゃった・・
     だからご主人様が好きな名前つけて?何でもいいよ?」

 


「えぇぇっ!?無理だよそんなの・・・」

 

 

     「いいから・・♪翔くんの好きな名前つけて?(笑)」

 


「・・・・・ホントに?いいの?」

 

 

     「うん♡」

 


「・・・・・・・う~ん」

 

 

     「・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・、ごめん。

 今直ぐには無理だからちょっと考えさせて?
 それまでは”ふわ猫さん”でいいかな?」

 


    「にゃぁ♡」

 


「ふふっ♡よし!良い名前考えなきゃ・・・」

 


    「よろしくにゃ♡ご主人様♡」

 

 

「はい(笑)」

 

 


結局俺は、自分でもよく分からないまま

半ば強引に押し切られる形で昨日拾った”捨て猫”

いや、今は”ふわ猫”さんとなった彼を飼うことを決めた

 

 

そしてその日から俺と彼のとの奇妙な同居が始まったんだ・・・