青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

J事務所所属、気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります


テーマ:

数日後、おいらは久しぶりに電車に乗り
奈良さんと編集長が待つ会社へ向かった


ここ数年おいらは年に2回ほど定期的に小さなギャラリーを借りて
そこで新しい作品の発表と同時に展示即売会を開催していたんだ


でもその展示即売会は会社が全面バックしてくれていて
おいらは指定された期日までに新作を数点描き上げれば
あとの事は奈良さんをリーダーとする専属スタッフさん達が
全ての準備を整えてくれるから心配するような事は何もなく、
おいらはただ一生懸命に絵をかくことだけに集中することが出来ていた


そして今日は出来上がったばかりの作品の提出と
残りの作品の進捗状況を報告するために
苦手な電車に乗って久しぶりに会社へとやって来たんだ・・・



でも・・やっぱりおいらは
あまりの人の多さに圧倒され
会社へと一番近い駅についた時点で
ドッと疲れが出てしまった・・・



。。。。。。。。。。



「はぁ・・・疲れた・・・」



でもおいらの周りにはまだ
グレーの無機質なコンクリートの壁が直ぐ近くに存在していて
酸欠不足で息苦しいおいらの胸を更に圧迫し続けていた・・


おいらは少しでも早く外の空気が吸いたくて
足早に地上へと向かう階段を駆け上がる
するとふとした瞬間に吹き抜ける風が
おいらの周りに渦巻いていた澱んだ空気を洗い流してくれる



「はぁ・・はぁ・・・」



階段を1段上がるごとに少しずつ・・
でも確実においらの周りの空気が軽くなってくる・・


そして地上から差し込む太陽の光が階段の壁に映り始めると
おいらはずっと俯いていた顔を上へとあげ
その先に見える四角く切り取られた青い空を
やっと垣間見ることが出来たんだ・・














。。。。。。。。。。






     「そんな疲れた顔するなよ・・・はい、コーヒー」




コトン・・・







そう言って目の前のテーブルにアイスコーヒーを置いてくれたのは
おいらの上司で絵の師匠でもある奈良さんだ

奈良さんは優しい瞳でおいらの顔を覗き込みながら
その大きな手でおいらの頭を数回クリクリと撫でると
小さな籠に入っているシロップとミルクポーションをおいらの前へ差し出しながら
おいらの隣の席へ静かに腰を掛け
持っていたアイスコーヒーをブラックのままゴクゴクと飲んでいた


     「ゴクゴク・・・」


「・・・・・・・」


     「はぁ~っ、落ち着いた~」


「忙しかったんですか?」


     「まぁ・・ちょっとね
      俺も色々ある訳よ?分かる?」


「はぁ・・まぁ・・・・・(苦笑)」


     「でも忙しいけどそれ以上に楽しいよね
      お前の絵がこうして世間の人達の眼に触れるたびに
      俺まで嬉しくなるんだよ・・
      あの時は強引だったけど個展をさせて良かった・・ってね」


「奈良さん」


      <そうですよ?大野さん
       貴方の才能は本当に素晴らしいモノなのです
       それはこうして年に2回行われているイベントを見ても明かでしょう>


「編集長」



      <ゆっくりと・・でも確実に貴方の絵は進化し続けているんです
       貴方の絵をずっと見続けてきた我々には解るんです
       今の貴方の心がどれほど満たされているのかが・・>


「恥ずかしいな」



      <何を恥ずかしがる必要があるんです?
       恥ずかしがる事なんて何もない、
       だって貴方からの溢れる愛が・・満たされた心が・・
       これらの絵を通じて私達にも伝わって来て
       こうして貴方の絵を見ただけで
       幸せな気持ちになることが出来るんですから・・」



「・・・・・、ありがとうございます」



       <今回もとてもいい絵に仕上がっていますね
        どの作品も貴方の愛が溢れている・・>



「・・・・・、はい」



       <今年1回目の展示会までもう残りわずかです
        残りの絵もがんばって描き上げてください・・期待しています>



「はい、頑張ります」





おいらは自分の真正面に座っている編集長に向かって
座ったままぺこりと頭を下げる

編集長は微笑みながら「うんうん」と何度も頷くと
目の前にあったアイスコーヒーにシロップとミルクをたっぷりと入れ
ストローでグラスの中に入っていた氷をカラカラとかき混ぜていた・・







。。。。。。。。。。。




    「じゃ、今度は残りの絵が出来上がったら連絡してくれ」



「はい」


    「頑張れよ?応援してるからな・・」




「はい!じゃ・・おいらはこれで失礼いたします・・」




    「あぁ・・・」



いつもと同じようにそう短く返事をしてくれた奈良さんは
1階へ降りる為のエレベーターの前まで付いて来てくれていた


ふとエレベーターの上にある階数ボタンを見ると
おいらがいるの階まではもう少し時間がかかりそうだった


おいらはその時、ふと思い出したことがあって
その事柄について何気なく奈良さんに聞いてみたんだ
もしかしたら奈良さんなら何か知っているんじゃないかと思って・・・




「・・・・・、あ・・」
 


     「ん?どうした?」



「あの・・ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど・・」



     「なんだ?」



「新進気鋭の建築家の方で”伊野尾さん”って方ご存知ですか?」




     「え?あぁ・・・」



「その方ってどのあたりにお住まいかご存知です?」



     「え?あ・・えっと・・・
      確かお前の住んでいる家の方だったと思うけど・・」




「もしかして男のお子さんがいたりします?」




     「???どうしてそんなこと聞くんだ?」



「え?あ・・いえ、栞の友達に同じ苗字の子がいて
 珍しい名前だからもしかしてそうかなと思っただけです・・」




     「う~ん、どうだったかな?
      今はちょっと分からないな・・・」



「そうですか・・・」



     「なんだ?そんなに気になるのか?
      なんなら調べておいてやってもいいけど・・」



「あ・・いえいえ大丈夫です
 気にしないでください・・」




~♪



そう自分の手を顔の近くで左右に振った時
降りて来たエレベーターの扉が到着チャイムの音と共に左右に開いた


おいらはそのエレベーターに足早に乗り込むと
クルリと身体を翻し奈良さんに向かってもう一度ぺこりと頭を下げる


そんなおいらの事を黙ったまま見守り続けていた奈良さんは
扉が閉まり始めたのと同時に右手を軽く上げてくれたんだ
やがておいら達の目の前でエレベーターの扉がゆっくりと閉ってゆく

おいらは扉が閉まる前にもう一度奈良さんと目を合わせてから
お互いに確認し合うかのように頷き合ったんだ・・




。。。。。。。。。。。





重く古い扉を開けると
目の前には大きな幹線道路が走っていて
そこをたくさんの車がひっきりなしに走っている


でも・・ふとその視線を空へと向けると
四角いビルの隙間から青い空が見えて
爽やか風が自分の身体の近くを微かに通り過ぎた時
おいらは少しだけホッとすることが出来たんだ・・・




「・・・・・ふぅ・・・、よし!
 家に帰るにはまだ少し時間もあるし
 ちょっと本屋さんにでも寄って行こうかな?」




本当なら地下街を歩いた方が目的の本屋さんまでの
距離が近い事は分かっていたんだけど
おいらはあえて地下には潜らずに
陽の光を浴びながらゆっくりとした歩調で歩き出した・・・


































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