浅草の肌 | 私が観てきた映画など(Movieノート、カセットテープより)

浅草の肌

2013年-平成25年2月13日 録画HDD(BS日本映画専門チャンネル)


昭和25年作品


浅草の肌 - goo 映画


何の予備知識も無しに、単なる消化作品の様に見始めた本作品、アレレこれ思いの外良いね。タイトルのイメージと開巻の雰囲気で、それなりに見下してしまうのだけど、いやいや本作品は侮れないね。


まずは演出家役の二本柳寛が良いね、彼の作品何本か観ているけどこういう硬派な役が良いね。次に飲み屋の女将役の藤間紫も良い、27才頃なんですね。おまけじゃないけど飯田蝶子も良いね、女豹踊りも観られます。そして主役の踊り子、京マチ子は前年の「痴人の愛」(1949)から木村惠吾監督とコンビで4作品有るようですが、監督は本作品で彼女の魅力を全て引き出したのではないでしょうかと思います。


ラストの事件後、レビュー舞台と現実が並列で進行する所も含め本作品が映画として昇華していくのが見所だね。それと、その1つ前のシークエンスで脱獄犯が拳銃を持って逃走中というのが浅草の街にスピーカーで鳴り響く場面は映画として昇華していくのに見事に貢献しているね。木村惠吾監督、お見事です。


本作品は単に、場末の風俗だけを描いただけではない、映画作品としての志は高い、良い作品です。




是非パーケージ化も望みたいね。




追記、二本柳寛と藤間紫が”OK”、”オーケー”と囁くシーン、一寸外野の”オッケー”も有るけど、中々の名シーンだね。