日経ビジネス2014年7月7日号 耐える物流に迫る限界 より
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20140701/267872/?ST=pc

・物流業界は、少量多品種の荷物をいかに早く届けるかという戦いになっている。
・Amazonや楽天を中心とした配送サービスを含めた競争激化によって、EC絡みの荷物が急増している。
・お中元などの繁忙期の配送時期を分散化する協力をヤマト運輸が百貨店などの大口顧客に要請していた。
・イオン幕張新都心などの例に見られるように、地方の大型ショッピングモール開業が相次いでいる中、人件費の高騰を招き物流現場からモールへ人材が流出している。


この記事にも掲載されていたが、コストダウンの真っ先に対象となるのはロジスティクス関連。しかし、景気が回復しても賃金上昇分を転嫁できるのは後回しという損な役回り。そのような状況下で、人件費を上げなくては人が集まらないという四面楚歌の状態に陥っているため、現場は予想以上に深刻化している。

表面的な見方をすると、メーカーや小売店業界がロジスティクス関連を軽視し過ぎだというイメージになるが、消費者のニーズが背景にあることを忘れてはならない。

ネット通販を運営する側としては、他のショップよりもサービスレベルを上げなくてはならないと躍起になる一方で、コンテンツ力の差別化が難しくなっていることを痛感する。

また、消費者目線で考えると、配送料無料は必須条件で、1日でも早く届いたほうが安心するため、商品だけでなく関連するサービスレベルも比較することが当然の意識になっている。

同じような現象で思い浮かべるのは居酒屋チェーン店や牛丼チェーン店などの働く環境が批判されていることだ。経営者側としては雇用や賃金を守ること、消費者が少しでも安価に購入できる価格体系を作ろうとすることを追求した結果、現場に無理が生じてしまったともいえる。

消費者が情報発信する時代、消費者同士が情報交換し自分のしたいことを実現しようとする時代がさらに進化する中、サービスレベルを上げることが求められ、売る側がニーズに応えようと必死になるほど、コスト負担のしわ寄せがやがて消費者自身にはね返ってくることを考えなければならない。

ネット通販のシステムやフルフィルメントを売る側の視点としては、必要コストの裏づけとなる数値データを基に説明し、クオリティを売る商品内容、コンテンツを明確にプレゼンしなければならない。

また、消費者向けの対策としては、大量の顧客を保有することより、少数であっても商品やコンテンツに共感してくれる顧客を増やしていくことを重要視すべきだ。そして、有料会員で差別化することがサービスの継続性を高め、クオリティ維持に欠かせないものになるはずだ。

それでも、人口減少化、高齢化が危惧される時代においては、外国人の受入体制、人材教育、異文化が交わる仕事において現場スタッフの意識改革が求められる。しかし、外国人を積極的に受け入れようと政策や制度が整備されても、単一民族国家として根付いてきた歴史や伝統が大きな壁になりそうだ。

ボーダーラインのネット通販フルフィルメント・運営代行

ボーダーラインのデータベースマーケティングのご提案

株式会社ボーダーライン