尊敬できる人、自分を成長させてくれる人のもとで働きたいという話を就活生から多く聞きます。では、実際にどんな人物像がイメージできるのでしょうか。
このような声を聞くたびに、現横浜市長の林さんが体験された話を思い出します。
林さんは、かつてホンダオートの営業ウーマンでした。配属された直属の上司は、仕事もできず怒るばかりでとても上司の鑑とは思えない人格だったようです。ただ、これ以上最悪の上司は他にはいないだろうから、この環境で結果を出すことができればどこに行っても渡り合えるはずだと前向きに考えて仕事を続けたそうです。
私もかつて良い上司のもとでは部下が育たず、良い部下を持つと上司が育たないという話を聞いたことがあります。上司の指導方法やビジョンに共感できることは一つの条件にすぎないと思います。自分と反対の意見を持つ方たちとディスカッションすることのほうが、これまで感じなかったことや違った視点で物事を考えられる場合があるからです。また、気が合いそうな仲間を面談で選出することも均質化してしまう危険性があり、事業の多様性が発展しにくい場合もあるでしょう。
社会に出ると様々な価値観や人格を持った人たちと接しながら人間関係を構築しなければなりません。そのため、20代そこそこの経験値だけでは判断しにくい部分も多くあるはずなので、これまで交わらなかったような人たちに飛び込んでいく勇気があってもいいと思います。
逆境に立ち向かう環境下でこそ磨かれる感性や修羅場をくぐり抜けることで、新たな自分を発見し、人間としての真価が問われるのではないでしょうか。
つまり、自分を成長させる理想の上司とは、一生長い付き合いができることを前提に人間関係を構築してくれる相手ではないでしょうか。なぜなら、長い目で見てその人の成長を見守ってくれるからです。時には難題や反発する気持ちになることもあるでしょう。しかし、短期的な付き合いを考えてしまうと安易な結論や思慮深い考えに至らないので、長期的な視点でお互いに意見をぶつけ合うことができるのであれば、良質な判断ができると思います。
また、、一つ言えるのは成長したいという意欲、見守ってくれることに対して自らもお返しをしていく配慮や気持ちが大切です。
上司、部下双方にとって理想的な相手を探し続けるのではなく、長い時間をかけて育んでいくものかもしれません。 結局は、師は我にあり・・・ですね。