★ハゲタカ | 真空管のアナログ世界に魅せられて

真空管のアナログ世界に魅せられて

「温故知新」と言う言葉が有りますが、真空管は将にそんな存在だと思います。真空管を今では知る人も少なくなりましたが、デジタル全盛の今でも、真空管のアナログ技術を学び、真空管ラジオを楽しむ人は沢山います。私もその中の一人です。真空管を愛しむ想いで・・・・。

NHK総合テレビで、企業ドラマ、「ハゲタカ」を毎土曜日の夜10時から放送しています。全6回で、3回目だと思います。このドラマの原作は、真山仁の企業小説、「ハゲタカ」です。


このドラマの2回目までは、1990年以降の日本経済のバブルの崩壊の惨状に降り立った、「ハゲタカ」が、獲物を安く買い漁る物語です。「人の心」か、「金銭」かを問い詰める物語でもあります。外資は、安く買い叩いた会社を、右から左へと高値で売り払い、利ざやを稼ぐ阿漕(あこぎ)な物語です。


老舗の旅館の経営破綻にたいして、メイン・バンクが、支えきれず、外資の餌食になる件りは、人間の心を踏みにじった非情な物語です。


経営手腕に欠ける、老舗旅館の経営者は、ゴルフ場などの多角経営に失敗、銀行借入金の返済を迫られます。メイン・バンクは、莫大な不良債権をかかえ、救済の余力はなく、終に外資に買い取られ、観光会社に転売されてしまいます。


そうして、悲劇が・・・・老舗の旅館経営者は、自動車事故で亡くなります。


「ハゲタカ」とは、よく言い得たものです。「ハゲタカ」は、主に動物の死肉を骨まで食い漁る、貪欲で、巨大な鳥です。


この物語を観て、私は日本の大手銀行のバブル崩壊以降の生き様を、まざまざと思い起こしました。絶対の信用有るべき銀行が、次から次えと破綻していきました。


日本長期信用銀行、北海道拓殖銀行、足利銀行、さらに、金融セクターの三洋証券、山一證券の破綻・・・・等々と、恐怖の経営破綻をへて、銀行は体力強化のため合併劇を演じてきました。


2000年当時、アメリカのシティ銀行の日本支店の責任者に聞いた事を今も記憶していますが、数年にして、電話帳に掲載の日本の銀行が、半分に成るでしょうと聞きました


要するに、銀行の破綻、合併により、銀行の数が減るだろうと言う予測だったのです。今に思うと、この予測は見事に当たりました。いいえそれ以上に、恐ろしいほど的中しています。


今、その事例として、三井住友銀行は、果たして何行の銀行が合併しているのでしょうか。


神戸銀行、太陽銀行、三井銀行、住友銀行と実に4つの銀行が合併しています。電話帳の銀行の数は半減どころか、3分の1になっているのかも知れません。


小泉政権下における、銀行の破綻やむなしの過酷な銀行改革の結果、銀行は、ようやく体力を回復してまいりました。


皆さんも、今夜10時からのNHK総合のテレビのドラマ「ハゲタカ」を是非ご覧に成ってみてください。何か感ずるところがあるはずです。

箭内 昇
元役員が見た長銀破綻―バブルから隘路、そして…
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真山 仁
ハゲタカ〈上〉