特撮のわるいおねえさんと、正義のヒロインとの関係を見てると、

なんか、悪いおねえさんって、「そとからみたフェミニスト」に似てるなーって常々思ってる。


昔は、悪のおねえさんは、とっても自由に見えた。

正義のヒロインが、ピンクを着込まされて、

「女の子」役割を一心に引き受けさせられているのとは逆に、

悪のねえさんは、野望と欲望を持ち、好きなものを着て、

好きなように振舞って、強かった。

戦闘員を従えて、作戦を練って、指揮を取っていた。


でも、そんな女は、存在そのものが悪、といわんがごとく、

彼女らは正義のヒーローたちにたこ殴りにされて、


どかーーーーーん


と吹っ飛ばされていった。


特撮ものの中でも、ストーリー性に優れたものであると、

所属する悪の組織の内紛や、女性差別(!でもあれはそうじゃない?)での失脚だったり、

その欲望そのものが「彼女自身のスティグマやトラウマ」によるものと説明されたり、

「本当は清らかな心の持ち主だったのに、さらわれて洗脳されて」の結果と説明されたり。


フェミな女性が、会社で一生懸命働いていたのに、会社都合で

「オバサンなんてもういらねーよ」

と解雇されたり、

「ブスのコンプレックスであんなに勉強するのよね」

と揶揄されたり「理解」されたり、

「学生時代に、なに?『フェなんとか』とかへんなものを勉強したせいで、あんなふうにオヨメにもいかずに」

なんて言われたり。


おお、なんとそっくり。


そのあちら側では、いつもにこにこにっこり、正義のヒロインおりこうさんは、

なんかシアワセそうにも見えて。


あたしは全然正義のヒロインちゃんには感情移入も共感もできなかったし、

なりたいとも思わなかった。



しかし、そのうちに状況は一変する。

正義のヒロインちゃんは、ピンクだけでなく、黄色も着るようになった。

おしとやかだけでなく、おてんばさんというヒロインも存在するようになった。

男性を凌駕する能力も、なにげに身に着けてるようになった。

男性がただほっとするだけの存在ではなく、

たまに人間的にみんなを困らせたりもするようになった。

(これは、かつての、判で押したような「女の子らしいわがまま」とかではなく、

「めちゃくちゃ生真面目」とか、「どうも心を開いてくんない」とかで、

ちょっとずつ血の通った人間らしい存在になってきたということだとあたしには思える)


そして、正義のヒロインたちは、前よりずっと生き生きと、楽しげに普通にたくましく見える。

「ピンク」に閉じ込められてなんかないように見える。

しかも、それを無理やり自分で血を流しながら脱ぎ捨てたわけでもなく。



ところがだ。

相変わらず悪のおねえさんは、強くてセクシーでワルいのだが、

逆に今度は組織に縛られ、自分の信条に縛られ、

とても不自由に見える。



「女の子でいいじゃん?」と楽になった普通のおんなのこ。

「女扱いするな!」と、逆に苦しくなったフェミ。←これはかなりステレオタイプのフェミだけどw



ま、現状そんな風に見えちゃうんだけどさ。




それはともかくとして、って前振り異常になげーよ。


あたしは獣拳戦隊ゲキレンジャーの悪いおねえさん、メレちゃんが大好きだ。

ご本人もきれいで、造形も魅力的だ。

その行動は、敵の親分w理央様への愛情で裏打ちされて、

しかも悪役のくせに正義感強いw

彼女の立つ位置が、彼女を便宜上悪役にしているだけなのだ。

だけど、悪役だからワルイことをしなくちゃなんない。

そこに葛藤がある。

そこでちゃんと苦しむ。


その描写を胸に染む演技と演出でみせてくれた、

修行30 セイセイでドウドウの女 」はひっじょーによかったです、はい。