ご愛用車のリコールのご案内!? | 北浜・西天満で働く弁護士のブログ

ご愛用車のリコールのご案内!?

1月27日頃、一つのご案内が郵便受けに入っていました。



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「重要なお知らせ ご愛用車のリコールのご案内」


「リコール」なんて初体験…。なんてこったと思いつつも、そこは弁護士。

「どういうふうに謝罪してるんやろ?」と、興味津々に中身を読む。



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弁護士の場合、倒産事件の申立代理人であれば債権者の方々に対し、刑事事件や民事の損害賠償案件では被害者の方に対し、お詫びの文章を書いて差し出すこともあり。

自動車会社のリコールに対するお詫びの文章は、参考の対象にしてしまうのです…。

(私もリコールの当事者であるのに、何を勉強しているのでしょうか…。もはや職業病です。)



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「…。そのため、そのまま使用を続けると、・・・、最悪の場合、燃料が漏れるおそれがあります。」

①リコールと似たものに、②改善対策、③サービス・キャンペーンがありますが、「①と②の場合は、安全確保の観点などから修理を必ず受けるようにしましょう。」と、国土交通省のホームページで、注意がなされています。


自動車のリコール・不具合情報 、国土交通省


あかん、あかん!仕事の参考にしている場合じゃない。早く修理に出さな。

しかし、1月29日午前中に、(ブログ「初蹴り! 」)、サッカーに行くために、友達を私の愛車に乗せなければならない。しかし、それまでに修理は間に合わない。

友達は仮にも弁護士である。

ということで、「リコール車であるが乗りますか?」と、リコールの事実を隠さず告げた上で、同乗の意思を確認したところ、構わないということだったので、同乗させる。

サッカーが終わった後、代理店に直行し、修理を終わらせました。

代理店の方も真摯かつ迅速に対応されました。

ついでに車内に掃除機をかけてもらいました。サッカー場の芝生など相当汚れていたので、ちょうど良かったです

3日以内に無事に、愛車の病気が治癒しました。


ところで、下線部分は、いわゆる「危険の引受け」という刑法上の法律的な考え方を少し意識しています。

被害者が、加害者側の行為の危険を認識しながら、その行為を許容している場合、たとえ法益侵害結果が発生したとしても違法性が阻却されるというものです。

今回でいえば、友達が、私の修理未了のリコール車に同乗して当該不具合の発生により事故が起きて負傷する危険があることを認識しながら、その危険を許容したのであるから、私に「事故による損害を賠償しろ!って言わないでね。」ということです。


しかし、今回はリコール通知を受けてから時間がありませんでしたが。

仮に、リコール通知を受けて相当長期が経過して事故が起きて同乗者から賠償責任を問われたとき、たとえ同乗者が修理未了のリコール車と知った上で同乗していたとしても、免責されるのか?危険の引受けの考え方がこの場合に通用するのか?

そのようなことを考えてしまいました。


なぜならば、道路運送車両法では、自動車ユーザーにもご自分の自動車が保安基準に適合するよう点検・整備する義務があるからです。


自動車のリコール・不具合情報 、国土交通省


ユーザーには、リコールを知って修理をする公法上の義務があるのです。

公法上の義務違反=民法上の不法行為の過失、ではないものの、

相当長期にわたって全く修理をせずに、修理をすれば問題なかった不具合が原因で生じた事故については、責任を問われる可能性が高いのではないかと考えてしまいます。


なお、リコールの通知を確実に受け取るために、引越をして住所が変わった場合には、変更登録の手続きを、自動車の所有者が変わった場合には、移転登録の手続きを15日以内に行う義務があります。
これらの手続きを怠ると、道路運送車両法により罰金が課せられることもあります。


自動車のリコール・不具合情報 、国土交通省


自動車メーカー等は、人身の安全を脅かす可能性がある車両の販売で「利益」を享受する以上、車両の保安基準に適合させるために必要な改善を行う義務があるのは当然のことです。


しかし、一方で、ユーザーも、他者の安全を脅かす可能性がある車両を購入し、「利便」を享受しているのであるから、その代償として車両の保安基準に適合するよう点検・整備する義務があるのです。


自動車メーカーには、二度とリコールが起きないように更なる努力を求めていくべきですが、リコールが全く起きない保証はないでしょう。


そうであれば、自動車事故による他害の危険性を除去するために、メーカーだけでなく、ユーザーも、リコールについて適時適切な対応をとらなければならないと考えます。


自動車メーカーとユーザー、両者の意識の変化が、日本を、より成熟した車大国、安全な社会に成長させていくのではないか。

そのように思います。


*なお、自動販売会社の中には、自社のホームページで、自車が現在、リコール対象車あるか否か分かるよう、車両番号で検索できるシステムを備えている会社もあります。ご確認ください。



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